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「Aはヒールがよく似合うようになったな。すっかり履きこなしてる」
『ふふ、そう？嬉しいな』
長い睫毛がゆっくり伏せて、綺麗な唇が弧を描いて花が綻んだように笑う。
その可愛さに思わずため息が出そうだよ……。
「明日、スーパーじゃなくてさ、ちゃんとデートしような？このヒール履いてさ」
『うん！楽しみ！』
「じゃあそろそろ出来たの、フリーザーパックに入れてく？」
『そうだね！でも、もう摘み食いはなしね？』
「うん(笑)」
夜はAが炊飯器にオムライスの具材とご飯を一緒に炊いてくれたから
そのご飯をフライパンでケチャップを入れて炒めて
とろとろの卵焼きも上手に焼くと
『はい、でっきあっがりー！とろとろオムライスー！』
「うーまーそーうー！」
『上手に出来た！ねぇ、ねぇ！久しぶりにケチャップで、絵、描く？』
「描く？(笑)」
『うん！じゃあ私から描くね？できるまでお楽しみ！翔くんも何描くか考えといてね！』
「はいはい(笑)」
鼻歌を歌いながら、楽しそうに描いていく。
描けるまで内緒って背中を向けられちゃったけど、背中からでも楽しそうなのが伝わってくる。
もー、めっちゃ可愛い。
『でーきた！次、翔くんね！出来たら教えて？』
「んー。はい」
背中を向けて俺が描けるのをまた楽しそうに待っててくれる。
やっぱり難しいな。
ケチャップで、描くの。
「んー。出来た」
『じゃあせーので見せてね？いくよ？』
「『せーの……』」
『……えっ、何これ？』
俺のオムライスを見た瞬間キョトンとするA。
「自由の女神だろ。アメリカと言えば」
『あぁ……ケチャップの湖かと思った』
「なんで卵の上にケチャップの湖描かないといけねぇんだよ(笑)」
『あっははは！ケチャップが密集しすぎて……翔くん下手なくせに難しいの描くから』
「んだよぉ。笑うなよ！」
『無理……あーっはっはっは！相変わらず面白い！！』
写メ撮ろって携帯でオムライスを撮ってる。
「くそー！Aのは？……うさぎか！」
『うん。上手く描けた』
いつも皿の空いてる場所にもケチャップで文字なりハートなり描いてくれる。
今日は
しょうくん♡けんしゅうがんばって♡
だってさ。
色々、頑張れそう！
今日の夜とか、夜とか、夜とか、仕事とか(笑)
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年12月14日 2時
