鈴蘭の咲く頃8【ars/S.S】 (ページ17)

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～～～♪♪♪

翔くんからチケットをもらってからは

もう毎日が楽しくて、画面越しの翔くんを見ても寂しくないの。

だってね？

画面越しで触れられないのに、毎回毎回パソコンの無機質な画面に映し出された翔くんに

翔くんの感触なんて何一つ感じないキスをするんだけど……

すごく切なくなるの。

嬉しいんだけどね。

その後、好きだよ、愛してる、抱きしめたい、触れたいって言い合って……。

たった数ヶ月、人生80年のうちのたった2年。

今は昔と違って日本とアメリカなんてすぐ飛んで行ける時代だけど、それが叶わないから寂しい。

離れていても翔くんの負担になりたくなくて

翔くんに、私を日本に置いてアメリカ研修に行ったことに負い目を感じて欲しくなくて、自分で決めたことなのに辛い。

離れてる分、ちゃんと気持ちを言いあおうって約束したけど、やっぱり自分からは寂しいとか、会いたいってあんまり言えなかった。

夢の中で会うだけじゃ物足りない

翔くんの服に、布団に、思い出に包まれてるだけじゃ悲しい

電話越しに、マイク越しに聞く翔くんの声じゃなくて

ちゃんと耳から直接聞きたい

薄れていく翔くんの匂いと抱きしめた感覚が寂しい

って思ってたから、チケットが送られてきて、本当に嬉しかった。

お母さん達にも話して、喘息のかかりつけの先生にも話して

ウッキウキでアメリカ行きの準備をする。

久しぶりに翔くんに会える嬉しさはまるで、翔くんに恋をした時みたいな甘酸っぱくて、胸がキュンと締め付けられたあの時みたい。

ときめく。

早く会いたい。

会って抱きしめて欲しい。

早く、早く、早く。