[特撮] silver bullet 3 <短編>

宅配には薄着で出ないこと！/カゲロウ ページ11

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SNSでめちゃくちゃバズっていた運動動画の再生を止めて、大きく腕を伸ばした。

『ん〜効いた！絶対明日1キロ痩せてる』
「さっきチキン頼んだ奴の言うことか？」
『うるさいカゲロウだって乗り気だったくせに！』

チキンの宅配頼めるし、専門家っぽい人の運動動画も見られるし、もはやスマホ様って感じだなあ、と思いながら宅配アプリを開く。

『あと3分で来るって！楽しみ〜』
「結局さっきの運動意味ねえな」
『辛口すぎ！！あ、たしか辛口チキンも頼んだんだよな』
「は？もしなかったら頼み直せよ」
『ごめん何様？』

どうやら彼は辛口チキンが気に入っているらしい。たぶん頼んだ。大丈夫大丈夫。
というかやっぱりカゲロウもすごいチキン乗り気じゃん。ノリノリじゃん。

勝手に辛口チキンのことで気を揉んでぶつぶつ言っているカゲロウの話を流し聞きしながら、ふと思った。

私、カゲロウに運動勧められたことないかも。

私がダイエットする！って宣言した時も、諦めるって言った時も、｢ふーん｣とか｢ほー｣とか反応適当で、からかったりしてこない。
体型のこと言わないようにしてくれてるのかな？

本人に確かめようと口を開いた瞬間ピンポンの音がして、頭を上げる。

『きたー！』

座ってたソファから立ち上がると、横からものすごい速さで腕が伸びてきて私の肩を押し戻した。

「オイオイオイオイちょっっと待てぇ？？？」

微妙にその声がうわずっていて、早口で、まずびっくりした。カゲロウもそんな顔をしていた。

『え、何？どうしたの？』
「ハァ……お嬢さんさァ、常識って言葉知らないかァ？」

よくわかんないけどカゲロウに常識を解かれるのは心外だな〜と思っていたら、顔に出ていたのか彼がため息を吐いて立ち上がる。

「あー、おまえ黙って待っとけ」

頭をガシガシしながらカゲロウが玄関に向かっていって、取り残された私は目をぱちくりさせることしかできない。

な、なんで？いや別にいいんだけどなんで？

何も理解できないまま、不機嫌そうに戻ってきたカゲロウを見ないようにしながら食卓へ向かったけれど、しっかり彼に行手を阻まれる。

「ちょっと話さねぇとだめだなァ」
『な、何を？食べないの？』
「なあ、わかってんのか？今の自分の格好」

格好？と思いながら自分の服を見下ろす。運動して暑すぎたから、真夏用のかわいいキャミとショートパンツに着替えた。

・→←みんなへ じわじわこっち再開するからよかったら推し教えてネ

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