第17話 ページ18
昨日の夜は全くと言っていいほど眠れなかった
気を抜くと今でも直ぐにAさんのことばかり考えてしまう
一日中こんな感情と戦わなければいけないのかと軽い絶望を見に覚える
もう昼だ
あと半分も一日が残っている
何をしようかと考えていると、ふいにドアが叩かれる音がした
誰だろう
イライさんとナワーブさんはゲーム中だし...
そう思い、恐る恐るドアを開けると少し不安げな顔をしたAさんが立っていた
「あ....あの。この前のハンカチを返しに来ました」
おどおどと、僕が渡した白いハンカチを差し出す
持っててくれれば良いものを
律儀な人だ
「ありがとうございます」
彼女と会えたことで高ぶる気持ちを押し殺し、なるべくいつも通りのように振る舞う
すると急に彼女は俯き、微動だにしなくなる
どうかしたのかと思い
「あの.....Aさん？」
と声をかける
「......カールさん」
「.....はい」
「私....どうしたらいいんでしょう」
輝く黄色の目に涙をいっぱいためて彼女は言う
その拍子に一滴の涙がポタリと床に落ちる
「私....カールさんのきとが好きみたいです.....
ごめんなさい」
彼女は何故か僕に向かって謝罪の言葉を述べた
「なんで謝るんですか」
言葉が勝手に出た
自分のことで彼女がこれ以上自分を傷つけるのは見たくなかった
「え。」
「謝らないでください。
.....僕も、あなたの事がもっと知りたいです」
彼女が泣くのはあまり見たくない
そう思いそっと、壊れてしまわないように抱きしめる
思いのほか彼女は僕より小さく
僕よりも細かった
腕の中にぬくもりを感じる
彼女が泣く姿は見たくないが、彼女が涙する時は、1番に寄り添いたいと思った
彼女が喜んでいる時は1番に彼女の笑みを見つめたいと思った
彼女が逝く時も最後まで僕が彼女を美しく飾りたいと思った
「だから、泣かないでください」
誰もいなくなった廊下に僕の声は
酷く響いたような気がした
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ホウ酸(プロフ) - イヴさん» あぁ...それもいいシチュですね....それいつか書くかも知れません()コメントありがとうございます！！ (2020年7月30日 6時) (
レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イソップくん酔い方かわゆ...あわよくば夢主ちゃんが酔って照れるイソップくんも見たかった... (2020年7月29日 9時) (レス) id: e486ddb9ac (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 。さん» そんなふうに言っていただけるなんて目からひじき飛び出ました(?)ありがとうございます！！今は別作の方を更新しているのですが元気出ました！！頑張ります！！！！ (2020年4月15日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - コメント失礼します。最初から最後までドキドキが止まりませんでした！そして関係図での画力に驚きです！画力もあるなんて…！お気に入り作者失礼します！これからも応援してます！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月15日 13時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ホウ酸 | 作成日時：2020年3月24日 21時
