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ページ13

日がもうすぐくれようとしていて


西の空はまるで火事でもあったかのように真っ赤に燃えている




徐々に上昇して行くゴンドラに身をゆだねながら、私たちは無言で眼下に広がるヨコハマの景色を見る





それは暗くなっていく中、家の明かりがまるで宝石のようにちりばめられ、ガラス張りのビルが結晶のように反射し、美しい鏡の世界にいる様だった



「楽しかった?中也ちゃん」

「あぁ、楽しかったぜ」



お互い景色を見ながら会話を交わす



ポートマフィアの本部ビル、擂鉢街、武装探偵社、



いろいろな建物を探してはこの世界に対する愛おしさがこみあげてくる





「正直、手前といればどこでも楽しいけどな」




唐突にそんなことを中也ちゃんがいうので、驚いてしまった




「…それ」

「そのまんまの意味だ」



そういって中也ちゃんは私の目を見て言った





その目は、ヨコハマに広がる海のように青く澄んでおり、その髪は夕日を反射していつもよりも際立って輝いて見えた




橙色と青色が混ざった美しい”人”が目の前を埋め尽くす







「中也ちゃんの目と髪は綺麗だ…この景色によく合う、私の好きな色合いだ」




元美大生が言うから無駄に説得力があるのだろうか



中也ちゃんは少し驚いたように目を開いた後、泣きそうな顔で笑った






「俺は…人間じゃねェ」

「え?」

「いや、正確に言えばちゃんとした人間じゃねェ」




中也ちゃんは擂鉢街を見つめて懐かしそうに、悲しそうに言う




「アラハバキって知ってるか?


なんでも、俺ぁそいつの器に選ばれた人間らしい」




つまりは、化け物ってことを言いたいのだろうかこの人は





「馬鹿だね」

「手前な…せっかく人が真剣に…」

「私がそんなこと知らないとでも思ってたの??」





私がそういうと中也ちゃんはぴくりと体を震わせた




「そういうのも全部知った上で推してるんだから、もっと自信もてって」



そういって彼の髪をわしゃわしゃとなでてやる



さらさら、ふわふわ、埋もれたい((




「そりゃ手前も馬鹿だ」

「なんでだよ」

「それを分かったうえで俺を好きでいるなんて物好きな奴、そうそういねェからな



てことは、手前は阿呆だ」

「ひっど」

「馬鹿と阿呆は別に何やっても許されるだろ」




そういって中也ちゃんは再び笑った



その笑顔は、今度は悲しんでもおらず、泣きそうでもない




ちゃんとした一人の”人間”の笑顔だった

学生??マフィア??→←・



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奏翔 - 続きって書かれますか?更新待ってます! (2023年3月6日 23時) (レス) @page22 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - 中也ちゃあああああぁぁぁん!?!?!?!?!?もう好き…えっ…?ホウ酸さんの中也ちゃん(夢主ちゃんのが移った)毎度毎度かっこよすぎません!?!?えっ…可愛いけども…((手前は誰と話しているのだか……もう好きです…これからも頑張ってください!!!!!! (2021年9月6日 18時) (レス) id: dc83ff49fd (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - さうさん» グサッと行ったならめっちゃ嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年12月13日 8時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
さう(プロフ) - 最後のオチが心にこう、グサッと、グサッと来ました!!!好きです!! (2020年12月12日 20時) (レス) id: 1a87c21f54 (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - ベネさん» ありがとうございます!!ベネさんもお気をつけて (2020年10月9日 15時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年5月30日 10時

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