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「えー田所さん確認させてください。今回何故フェローが同乗していたんですか?」
「フライトドクター育成の為です。今回に限らず、シニアドクターの元、主に彼らが患者を診ることになっていました。」
田所部長はハッキリとそう言った。
「ではまだそれだけの技術がない。平たく言えば半人前と言うこと。」
「トレーニング中と言うことです。外科医は、経験を積まなければ…技術を身につける事は出来ません。現場に行かずしてフライトドクターは育ちません。」
「それはもう程度の問題では?」
相馬弁護士は負けじと言い返してきた。
「安全確認の出来ない未熟なドクターを現場に連れていっていいもんなんですか?」
「いや、白石先生は他のERで十分な経験を積み上げています…」
「じゃぁ本人はどう思ってるんです?やむを得ない事故だったと?」
白石先生に火の粉がとんだ。
「…それは…!」
「白石先生は答える必要はありません。救命の全責任は…私にあります。」
田所部長はすぐに白石先生を庇ったが…
「避けられた事故だったんじゃないんですか?貴方がいたから救命のエースである黒田先生は医者生命を絶たれることになった。そうは思いませんか?外科医としての腕を貴方はもぎ取ったとは思いませんか?」
攻撃は止まなかった。
「ちょっと待ってくれ。」
ドクターヘリのパイロット梶さんが間に入った。
「アンタさぁ今までにー目の前で、死にかけてる人間見たことある?そん時に一刻も早く助けようとして飛び込んでった人間をアンタら責められんの?」
「いや…そんなこと言って」
「この先生達はねぇ!いつも!目の前で!死にかけてる患者を相手してんだよ!それを後になってえぇ?何だかんだ言うんだったらよ、じぁテメェらでやってみろってんだよ!」
梶さんの言葉はとても嬉しかった。
でもそれは…相馬弁護士には届かなかった。
「俺も一緒だよ!瀕死の患者運ぶ時!1秒でも1分でも早く病院に搬送しようと願う!それ以外は何にも考えない!それがプロだろ!」
「貴方は何回フライトしました?」
「えぇ?そんなもんいちいち数えてねぇよ、何千回だよ!」
「で、そのうち何回事故を起こしました?」
「お前ふざけた事言ってんなよ!0だよ!事故ったら死ぬんだよ!!」
「それがプロです。」
勢いを取り戻した相馬弁護士に言い負かされ、安全管理委員会は終わった。
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本ニャン(プロフ) - シロップさん» 物語の中身としてはあまり気にせず思いきって書くことがポイントです!気にしすぎるとかえって書きたい事が書けませんからね。あとは他の作品を読んでいいと思った事はどんどん真似しましょう!たくさん書くことが一番良いです!参考にしてもらえたら嬉しいです(*^^*)っ (2018年7月14日 18時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ(プロフ) - 本ニャンさん» 作品を書く時のコツとポイントを教えてくださいませんか? (2018年7月14日 8時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» はい!何時でもコメントしてくださいね!応援してます! (2018年6月15日 23時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー(プロフ) - いえ!またアドバイスしてもらってもよろしいでしょうか? (2018年6月15日 23時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» そう簡単な事ではないですが、勇気を出すことも大切だと思います!違反を受けてしまった場合は素直に削除するしかありませんけどね。この拙い言葉でルビーさんが勇気を出してくれれば私は嬉しいです!生意気ですみませんm(__)m (2018年6月15日 22時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:本ニャン | 作成日時:2018年5月11日 7時