【コード・ブルー】空へ【1stシーズン編】

1st　19 ページ20

それから藤川先生は退院して救命は通常運転となった。



あの出来事を藤川先生は謝ってくれたけど…



元気はなかった。



話を聞けば、黒田先生に病院を辞めろと言われたそうだ。



私も…いつか言われるのかな…



そんな考えのなか、いつもの日常が始まろうとしていた…



筈だったのに…



プープープー



ホットラインが鳴った。



「はい、翔北救命センター。」



『佐倉消防よりドクターヘリ要請です。岩沢地区の工場解体現場で撤去しようとした古いガス管が爆発しました。』



「ガス管が爆発…」



『爆発による爆風で負傷者がいるものと思われます。』



「負傷者の数は？」



『現場情報混乱していますが3人と言うことです。』



「3人…」




ガス管爆発で負傷者3人…



不幸中の幸いと言うことか…



「了解。ドクターヘリ出動します。」



「災害用バックください。」



そんな緋山先生の腕を黒田先生が掴んだ。



「ポントスペイシェントとトリアージが必要になるかもしれん。念のため森本先生お願いします。」



「わかりました。」



トリアージタグ…



あれには良い思い出なんかないな…



「こっちは受け入れ準備だ。」



トリアージ…緑…黄色…赤…黒…



黒…



「おい。」



耕ちゃんに腕を掴まれた。



「大丈夫か？」




「あ…うん。大丈夫。受け入れ準備しよう。」



危ない…意識がどこかにいっていた…



集中しなきゃ…



「了解。」



少しして森本先生から連絡が入った。



「予想以上に重症がいる。医者をピストンで運ぶ。藍沢、緋山、青井…白石。タッチアンドゴーで現場行ってこい。」



「はい。」




「はい。」




「はい。」



「はい…」



藤川先生だけが呼ばれなかった…



でも…なんで私まで…



疑問が残るまま、ヘリに乗り込んだ。

1st　20→←1st　18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す