検索窓
今日:45 hit、昨日:91 hit、合計:631,637 hit

1st 14 ページ15

アラームが鳴り響いて何分たったのだろう…



「血圧70台まで低下です!」



こうしている間にも患者さんは刻一刻と死へと近づいていっている…



「大腿動脈触れてこない…」



なのに私達はただ見ているだけ…



「お腹どんどん張ってきてる…」



「どうします!?」



「でも…俺達に出来るのここまでだぞ…」



どうする…?



諦める?



私は無力だと認めて患者さんを見殺しにする…?



そんなの…



「良いわけがない…!」



私はゴム手袋をつけ直した。



「やるか、俺達だけで。」



耕ちゃんが立ち上がったのもそれと同時だった。



イソジンをお腹にぶちまけた。



「お腹開ける気?」



「出血箇所を見つけなければ死ぬだけだろ。」



「マジかよ!」



「血管損傷があるかもしれないわ!経験あるの?」



周りが口々と言った。



それでも…



「ない。だからやるんだろ?どんな名医だって初めは未経験だ。」



「私は研修医時代に一度だけある。それでも経験はどんどん積みたい。あの時は指導医がいたから。でも、今日はいない。だから、私も初めて。」




私達はガウンに腕を通した。




「お前ら…自分がオペやりたいだけだろ!」



「だからどうした?」



「そんなことで患者を危険な目に遭わせてもいいの!?」



「ほおっておけばその患者は死ぬんだぞ。」



「何もしないよりまし。だから私はやる。」



「青井の言うとおりだ。オペにリスクは付き物だ。何もせずに患者を死なせるなら…俺はリスクをとる。」



「私も。」



私達はフェロー。



でも、この患者さんからしたら私達は医者。



だったら…



私は最善を尽くす。



「私もやるわ。」



緋山先生が声をあげた。



「開腹セット頼む。吸引機、電気メスも。」



「ガーゼもありったけ用意してください。」



患者にドレープをかけ…



「メス下さい。」



私達だけでの手術が始まった。

1st 15→←1st 13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (162 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
679人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

本ニャン(プロフ) - シロップさん» 物語の中身としてはあまり気にせず思いきって書くことがポイントです!気にしすぎるとかえって書きたい事が書けませんからね。あとは他の作品を読んでいいと思った事はどんどん真似しましょう!たくさん書くことが一番良いです!参考にしてもらえたら嬉しいです(*^^*)っ (2018年7月14日 18時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ(プロフ) - 本ニャンさん» 作品を書く時のコツとポイントを教えてくださいませんか? (2018年7月14日 8時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» はい!何時でもコメントしてくださいね!応援してます! (2018年6月15日 23時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー(プロフ) - いえ!またアドバイスしてもらってもよろしいでしょうか? (2018年6月15日 23時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» そう簡単な事ではないですが、勇気を出すことも大切だと思います!違反を受けてしまった場合は素直に削除するしかありませんけどね。この拙い言葉でルビーさんが勇気を出してくれれば私は嬉しいです!生意気ですみませんm(__)m (2018年6月15日 22時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:本ニャン | 作成日時:2018年5月11日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。