【イナズマイレブンオリオンの刻印】神を司る戦士 (ページ5)

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河口湖に到着し、ボクは一星君とバスを降りた。

たぶん…最後の方だったと思う。

だから…目立ったんだと…思う…

「君だろ、海外から参加した選手って。それで、君がシルエットで発表されていた選手だよね？俺、稲森明日人、よろしく。」

と手を差し出された。

その手を取ったのは一星君だった。

「あ、挨拶が遅れました。一星充です。ロシアのチームでプレイしていました。」

「ロシアか。サッカーがかなり強い国だね。」

「はい。僕はまだまだ修行中の身ですが、海外経験を買われて選ばれたみたいですね。」

「そっか、君は？」

一星君と一通り話したあと、稲森…先輩の視線はボクに向いた。

一星君が敬語を使っていたから先輩なんだろうという安直な考えだ。

「…宮代…宮代Aで、す…青雲大学附属学園中等部１年です…」

「青雲大学附属学園…？」

まあ…サッカーが特段強い学校ではないから知らない人の方が多いだろう。

だからこそ、どうしてボクなんかが選ばれたんだと考える人が多いと思う。

「青雲大って…確か全寮制の有名な進学校だよね。サッカーはあまり強いイメージはないけど…」

「でも、選ばれているって事は…」

その場にいた人達の視線がボクに集まった。

ああ…嫌だな…

学校にいた時と同じ視線を感じる…

異物を見るような…そんな視線…

「宮代の事は確かによく知らないけど…せっかく同じチームになったんだからさ、これから知っていけばいいじゃん。」

稲森先輩がそう言った。

…そんな事…初めて言ってもらった…

心がとてもむず痒くなった。

「一星も宮代も、一緒に頑張ろう。」

「はい！よろしくお願いします。」

「…お願い…します…」

そう言って皆は合宿所の方へと向かって行った。

これから知っていけばいい…か…

これからって…ボクはこのチームにいてもいいの…？

ボクは…このチームに、必要…？

複雑な、黒い感情がボクの中で渦巻いた。