【イナズマイレブンオリオンの刻印】神を司る戦士 (ページ3)

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そしてあっという間に1週間は過ぎ、日本代表のメンバーが発表される日となった。

学園長に言われた通り、ボクは学園長室に来ていた。

「選ばれるといいね～」

「ボク以外の人の方が適任だと思いますけどね。ボクみたいにサッカーをしていない人間より、している人の方が日の丸を背負うのに適任だと思いますが…」

「あ、発表始まるみたいだよ。」

ボクの話を聞いていなさそうな学園長はそう言った。

ボクはテレビの画面に目を向けた。

FW 豪炎寺修也灰崎凌兵吉良ヒロト剛陣鉄之助

MF 稲森明日人鬼道有人氷浦貴利名一星充基山タツヤ不動明王野坂悠馬

DF 風丸一郎太万作雄一郎吹雪士郎坂ノ上昇岩戸高史宮代A

GK 西蔭政也砂木沼治円堂守(キャプテン)

「…」

「おお！すごいじゃないか！おめでとう！」

学園長はそう言ってくれたが全くもって嬉しくはなかった。

ボクが…日本代表…イナズマジャパン…？

何かの間違いであって欲しい。

でも、これは現実なんだ。

「辞退とか…」

「宮代君。」

ボクが話そうとすると学園長が遮った。

「せっかく貰えたお話なんだ。受けなさい。」

「いやでも…ボクは…」

「君にどんな事情があるのか全く知らないが、悪い話じゃないんだ。むしろ光栄な事じゃないか。」

学園長はボクを真っ直ぐ見た。

「いい経験になると私は思うよ。頑張ってきなさい。」

学園長はそう言って微笑んだ。

「…はい…」

ボクはそう言って学園長室を出た。

そして裏庭へ行き、実家へ電話をかけた。

『ちょっとA！どうして候補になった事教えてくれなかったの！』

お母さんもテレビを見ていたのかそう言われた。

「だって…有り得ない話だったし…まさか選ばれるなんて…」

『そうだけど…でも貴方は大丈夫なの？受けるんでしょう、この話。』

「うん…学園長も受けなさいって。」

サッカーなんてやりたくない。

その思いがボクの心を押しつぶした。

『…お母さん、Aの事とても心配だけど…応援してるわね。辛くなったらいつでも逃げ帰ってきなさい。』

お母さんは優しくそう言った。

「…うん…」

そう言って電話を切った。

この話に…ボクの意志なんて存在しない。

そんなボクが…日本代表なんかでいいのか…

納得のいく答えなんて、出るはずがなかった。