検索窓
今日:27 hit、昨日:49 hit、合計:95,776 hit

3rd 51 ページ4

Aside



痛む足を引きずりながら非常用ボックスを探した。



「はぁー…やっぱり冷凍室は寒いよ…あ、あった。」



非常用ボックスの中には保温シートが入っていた。



これで寒さは何とかなる…わけないか。



気持ち程度だけど、今はそれでもありがたい。



低体温症と凍傷だけは何としても防がないと…



保温シートを持って扉の付近まで歩いた。



寒さより足が痛い…



折れてはないと思うけど…



救助、どのくらいで来るだろう…



連絡取れないからわからないな…



私達がいつも助けている患者さん達も、いつもこんな気持ちなのか…



そういえば、昔、お父さん達が死んだときもこんなだったな…



独りでいるとマイナスなことばかり考えてしまう。



早く…助けて…



誰か…



ギギギギ…



「発見しました!大丈夫ですか!?」



レスキューが私のそばに駆け寄ってくれた。



助かった…



「大丈夫です。足を捻ってしまって…歩くのは少し厳しいです。」



震える声を抑えてそう伝えた。



「そうですか。私が外まで運びます。どうぞ乗ってください。」



レスキューの方が背中を向けてくれ、私はその背中に乗った。



もう1人のレスキューの方が毛布を掛けてくれ、毛布と服越しの人肌の温もりがとても安心できた。



レスキューの方に背負われて外に出ると藤川先生がいた。



「大丈夫か!?閉じ込められたって聞いてびっくりしたぞ。」



「…ふ、藤川先生…」



藤川先生を見た途端また安心してしまい泣いてしまった。



そんな私を見て藤川先生はとてもびっくりしていた。



レスキューの方に降ろしてもらい、泣きながらお礼を言って藤川先生に足を捻ったことを伝えた。



「ただの捻挫だよ。これは折れてないぞ。ほら、泣き止めよ。俺が泣かせたみたいじゃねえか。」



「うん…よかった…」



袖で涙を拭きながらそう言った。



「あ、息苦しいとかはないか?藍沢が心配してたぞ。喘息の発作で倒れてないか。」



「そう…なんだ…息苦しいとか、体調面の異常はないよ。」



「そうか。まあ、一応水城先生に診てもらえよ。」



藤川先生はそう言うと翔北に連絡を入れていた。



もう…冷凍室に閉じ込められるのはごめんだ…



そして私は藤川先生と救急車で翔北に戻った。

3rd 52→←3rd 50



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1006人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます!劇場版も喜んで貰えるように頑張ります!! (2022年4月5日 20時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした!!青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください! (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます!この言葉を励みに頑張ります!! (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:本ニャン | 作成日時:2021年4月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。