3rd 52 ページ5
「…少し喘鳴がするな。吸入して今日は安静にしていた方がいい。」
翔北に戻り、すぐに水城先生に診てもらった。
やっぱり音はしていたようで安静を言い渡された。
先生の目の前で吸入をしていると診察室の扉が勢いよく開かれた。
扉の所には耕ちゃんが肩で息をしながら立っていた。
「そ、そんなに慌てて…何かあったの？」
「だって…お前が水城先生の所に居るって藤川が…」
「う、うん。大事をとって診てもらってただけ…音はしているみたいだから今吸入したところ…」
私がそう言うと耕ちゃんは深く息をついた。
そういえば…耕ちゃんが心配してるって藤川先生言ってたな…
「ごめん…心配かけて…」
私が謝ると耕ちゃん「気にするな。」と言ってくれた。
「まあ、吸入もしたし、このあとじっとしてたら発作の心配はないはずだ。じっとしてたら。」
「水城先生…私のこと信用してませんね…」
水城先生は悪びれた様子もなく「ああ。」と言った。
「まあ、そういうことだ。大人しくしとけよ。もう戻ってもいいが…車椅子持って来るか？歩けないだろ。」
救急車から降りてすぐにここに来たので帰る手段がないのだ。
「大丈夫です。担いで帰ります。」
耕ちゃんが突然そう言ったので私は驚いた。
「そうか。大人しくしてるように見張っててください。じゃあ、お大事に。」
水城先生がそう言うと耕ちゃんは私の前にしゃがんだ。
私は耕ちゃんに背負われて診察室を出た。
暫く私達は無言で廊下を進んだ。
「…トランシーバーの音が切れたとき、焦った。」
「本当にごめんね。あの時いきなり電気が消えて…私も焦ってて…」
「行かせなければよかったと思った。」
「最近、耕ちゃんロマンチストだね。なんだかむず痒いな…」
そう言って2人で笑いあった。
…耕ちゃんの背中、温かいな…
「この後どうする？家に帰るか？それとも医局に残るか？」
耕ちゃんの心拍…心地いいな…
「家に帰るなら送る。」
レスキューの人も温かかったけど…スクラブ越しの方がいいな…
「A？」
「ん…？」
私は耕ちゃんの背中で船を漕ぎながら返事をした。
「…わかった。運んでやるから寝てろ。」
耕ちゃんの声を聞いて私は眠った。
「もう…家族を失うのはごめんだ。」
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本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます！劇場版も喜んで貰えるように頑張ります！！ (2022年4月5日 20時) (
レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした！！青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます！この言葉を励みに頑張ります！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本ニャン | 作成日時：2021年4月24日 21時
