【コード・ブルー】空へ【3rdシーズン後編】

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緋山先生は周産期医療センターへ行っちゃって…藤川先生は冴島先生にフライトドクターを辞めて欲しいと言われ…灰谷先生はPTSD…


耕ちゃんのトロント行き…



見えない所で問題が山積みだったんだ…



私はいつものように屋上に来ていた。



もしかしたら…まだ私の知らない所で問題が起きてたり…



そんなこと考えだしたらキリがないな…



私は自嘲気味に笑った。



皆が救命からいなくなる…



一番に居なくなるのは私だと、心のどこかで思っていた。



私のこの弱い身体は、誰が見ても救命医になるには向いていない。



ましてや災害医療に携わるなんて…



それでも今私がここにいるのはこのチームの皆のおかげ。



皆の力と協力がなければ私は救命医を続けることなんて無理だった。



その点では日下部先生や水城先生にも感謝だ。



本当はしっかり療養させたいところを少し目をつむってくれていた。



私が救命医でいられるように最大の努力をしてくれている。



２人には頭が上がらない。



皆の協力があって私はここにいる。



だから、皆が困っている時、悩んでいる時は私が助けるんだと思っていた。



でも、この問題に対して私は何ができるんだろう。



「本当…無力だなぁ…」



私の小さな声は風にかき消されてしまった。



「おい。」



後ろから声がしたので振り向くと扉の所に耕ちゃんがいた。



「風邪引くぞと何回言ったらいいんだ。」



「えへへ。ごめん。」



そう言って耕ちゃんは上着を渡してくれた。



「…トロント、本当に行かないの？」



私の問いかけに耕ちゃんは何も言わなかった。



「…耕ちゃん、私には『なんでも言え』って言うくせに私には何も言わないよね。」



私の言葉に耕ちゃんは目を丸くしていた。



「耕ちゃんが私を思ってくれているように、私だって耕ちゃんの事考えてるんだよ。頼りないかもしれないけど…私だって！考えてるんだよ！」



「A…」



私は思っている事を耕ちゃんにぶつけた。



私には何もできないかもしれない。



でも、自分の気持ちを相手にぶつけることぐらいはできる。



「別に完璧じゃなくてもいいじゃん！私なんて、欠陥だらけだよ！？完璧な人間しか先に進んじゃいけないの！？そんなわけないじゃん！本当はどうなの！？行きたいんじゃないの！？奏ちゃんの事を言い訳にして逃げてるんじゃないの？耕ちゃん自身本当はどうしたいのかちゃんと教えてよ！！」

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