ひーわずまいひーろー。【轟焦凍】 (ページ6)

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chapter 2.すれ違いページ6

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『……っ、』

最悪の目覚めだ。

また轟の夢を見た。幼い頃の私と轟なんて、きっと誰の記憶にも残っていない筈なのに。

「__A、今日テスト順位発表されるんでしょ？」

『うん』

「結果、楽しみにしてるわね」

『…うん』

ずっと、隣にいてくれていた筈だった。

だけど、いつのまにか私の所からすり抜けていた。結果、私には何も残らない。

もう見えなくなった轟を追いかけるだけだった。

『…行ってきます』

朝の冷たい空気が鼻に当たってツーンとする。巻いたマフラーが暖かい。

の癖に、まだ脳が起きていない。

ああ、眠い。

ゆっくりとのろのろ学校へ歩を進める。普段から登校するのが遅い私は、友達と会う事もない。

凝山中学と書かれた門を潜り、3年の学年の所へ歩を進める途中、人集りを見つける。

ああ、順位か。

『……やっぱり、ね』

5位、田中美月438点

4位、上代悠440点

3位、轟焦凍464点

2位、櫻井伊月486点

1位、星月A500点

5教科500点満点のテスト。

特にやる事のない暇人の辿り着く点数なのだ。

嬉しいは嬉しいが、私の目線は自身の順位よりも、轟焦凍、という文字の方へ向いていた。

クラスが違うから基本会わない。

轟の周りには大抵人が集っていて、私の方にも邪魔でしかない人が集ってくる。

会いたい。

ずっと、一緒にいる筈だった。

その予定だった。

だけど、もうそれは叶わない。