私の親友、悪女です。

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次の日の帰り道。


2人きりになったところで話をする。


「合宿、宮城の烏野ってとこと最終日すんじゃん」


「あー、らしいね」


「そこ、莉々亜いるって」


「.........あ"？？」


できる限りなんでもないことのように話し、

伝えるだけ伝えておくというつもりだったが、

そうはいかなかったらしい。


杏樹は"莉々亜"という単語を聞いた瞬間、

ブチ切れた顔をして、声のトーンも1段と低くなった。


幼馴染の私でさえ、一瞬怖いと感じた。


"莉々亜"


中学のときに杏樹が唯一ブチ切れた理由となる1人だ。


彼女はどちらかというと見てるだけ、って

感じではあったが。


それがまたイライラするもので。


後ろでニヤニヤニヤニヤ、だいぶ気持ち悪かった。


杏「.........男バレかどうか分かんないでしょ」


「いや、男バレのマネらしい、昨日聞いた」


前を見ながらそう呟く私をチラリと見たあと、

軽く舌打ちをする杏樹。


まぁ二度と会いたくないと思っていた相手と

再会するわけだから、そうなるのも分かる。


杏「ま、でも.........叩きのめすチャンスってこと？」


ニヤリと笑ってそう言う杏樹に、

私は呆れたように笑った。


こいつらしいけど、

なにをしでかすか分かったもんじゃないな。


でも、杏樹なりに私に心配させないようにするための

一言だと理解しているから、私も笑えるのだ。


「頑張れー」


杏「うわ、棒読みかよ」

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