RKRN 継母の遺書は何処へ

決戦 ページ28

「半助！怪我はない？」

「A！」

どうやら無事なようだ

「半助、これから話すことをちゃんと聞いて」

半助に視線を合わせ、頬を手でおおう

「手が！」

「この街は、あと一時間もすれば全焼、酸素を使い尽くす
ここにいては危険だよ、だから南へずっと進んで」

「南へ…？」

「そう、南へ」

そうすれば、いつか…忍術学園にたどり着く

「Aは？Aは行かないの？」

「……」

答えられない

「Aが行かないなら私は行かない！」

「それはダメ！半助！アンタには未来がある！」

「Aだって一緒だ！」

どうしたら納得してくれる…？

「半助、あなたの母君は、半助が立派な人間になる、そう信じて死んだ。そして私は、あなたを守る、そう誓った
ここで私が逃げてしまえば、その誓いは果たせない
だから半助、生き延びて、立派な忍者になる、今ここで、私と約束してほしい」

半助は半べそだ

「最初で最後の、私の我が儘、聞いて欲しい」

「わかった…
私、立派な忍者になる…生き延びて！Aみたいな忍者になる！」

その言葉が聞けて、安心した

「なら、火が回る前に逃げな、半助は立派な忍たま、だから、怖がる必要はないよ
そして、最後に…

復讐しよう、なんて考えてはいけない、復讐する暇があるならば、忍術を磨きな」

半助の背中を押す

それに勢いがつき、背中が見えなくなる

「絶対死ぬんじゃないよ、半助」

Aは炎の中に姿を消した





「はぁ…はぁ…」

おもいっきり走る

どうやら、誰も半助が逃げたとは分からなかったらしい

遠くで爆発音が聞こえた気がしたが

振り向くことはできなかった

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