RKRN 継母の遺書は何処へ

成長 ページ29

「半助、この採点頼む」

「わかりました」

数年の月日がたち

半助は忍術学園の教師となった

Aとの、思いでは胸の奥にそ、としまってある

まるで、思い出すのをためらうかのように…



「学園長先生、話とは？」

教師になって数ヶ月、学園長に呼ばれた

学園長は、何度も読み返した跡のある張を開いていた

「おぉ、来たか…」

その張をとじる

「話というのは、ワシの孫娘の話をしたくてな…」

口角が緩む

「学園長、お孫さんいたんですか？」

「失敬な！」

孫がいたことに驚く

これは、話が長くなる、そう感じた

「生まれる前に父は他界、母は、四歳の時に他界し、わしが引き取った

まるで、非の打ち所のない子じゃった。
まぁ、料理はド下手じゃったが…」

冷や汗をかきだす学園長

嫌な思いででもあるのだろうか？

「くノ一教室では、常に実技、教科はトップ
忍たまとやらせれば尻に敷くほど、気の強くて逞しい子じゃった。
卒業すれば、タソガレドキに就職、手紙もだしやせん、心配になって、タソガレドキに文を出せば、もう四年も前に辞めているという…
何度も頼んで、住所を教えてももらい、文を出したものの、返事がこない」

何冊も束ねられた張を手でなでる

「しびれを切らし、わし自ら出向いたら、そこは焦げくずだらけの、死の街になっておった

この張は、その住所の下にあったもの、地下倉庫に大切にしまってあった」

一冊渡される

「この字は…」

どこかで見たことがある

「これは、わしの孫の日記じゃ、その日記には当時十歳の男の子との生活をつづっている、その、男の子の名前は…」

その言葉に目を見開く

「半助、そう書いてある」

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