RKRN 継母の遺書は何処へ

ショボい ページ20

「まったく、この忍者隊はチョロすぎる」

忍術学園、タソガレドキ忍者隊育ちのAは、この忍者隊をかなりなめていた

「大川、今夜決行だ」

「分かっておりますとも、殿方」

二人の侍女を連れ、お面のような化粧をしている

「初日早々、うちの忍者隊を可愛がってくれたそうじゃないか」

どうやら、お偉い様までにも知られているらしい

「軽く挨拶をしただけですよ」

「タソガレドキ流の挨拶は、かなり乱暴だな」

天井から声がする

「それとも忍術学園流か？」

スタッ、と降りる

「忍者のようですが、忍者隊には居ない顔ですね」

「コイツは、朕の側近だ」



庭に連れてこられ、侍女は下がる

「一つ聞こう、この世の強者はなんだと思う」

「それは、力がある者に決まっているではありませんか、城主のように」

当たり前の答えを返す

「土井家滅亡をすれば、朕の一族は栄える
それは、当たり前だと思うか？」

「それが、この室町の仕組みではございませんか
権力のある者が栄え、無いものは衰える、戦をして勝てば土地を増やせ、負ければ滅ぶ
何を今更」

笑い混じりに答える

「ならば、土井家を潰したら、朕に嫁ぐことを命じる」

「…は？
冗談もキツいですよ、殿方」

まるで相手にしないどころか、バカにしてかえす

「お前は頂点に立つに相応しい
望みであれば、忍者隊の組頭にしてやろう、不自由はさせまい」

どうやら、どうしてもこの屋敷に留まってほしいらしい

「私のことバカにしてません？
頂点に立つに相応しい？こんな成金貴族が頂点になれるわけが無いじゃありませんか
忍者隊もショボい、屋敷もショボい、殿方、アナタもショボい
こんな屋敷、私の育った忍術学園の十分の一に満たない
あんな忍者隊、タソガレドキの方がダントツいい」

侮辱を並べる

「そもそも、私は頂点なんかに興味ない
私が欲しいのは一つしかない」

「いってみよ、叶えてやろう」

その言葉に鼻で笑う

「私が欲しいのは

忍術学園の学園長の座」

話すのがバカらしくなったのか、庭から出る

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