RKRN 継母の遺書は何処へ

初雪 ページ15

「寒いと思ったら、雪が降り始めたね」

シンシンと降る雪

「きっとこの調子じゃ、雪が積もるね」

「そしたらさ！一緒に雪で遊ぼうよ」

半助が目を輝かせながら訴える

「そうだね、雪遊びも久し振りにやりたいし」

二人は、年を越すため、必要な品を買い出していた

その頃、二人には変化があった

半助は、どんどん落ち着き

Aは、どんどん訃音気が柔らかくなった

互いの存在があってこその変化だ


「半助、ちょっと会わないといけない人がいるから、荷物お願い」

「わかった！」

Aの荷物を受け取る

「しめ縄選んどいて」

「うん！」

元気よく返事をし、用事のある団子屋の目の前で選び始める



「お待たせしました。山本先輩」

自分の後ろ側に座る二人に話しかける

「夏祭りぶりだな、大川」

「はい、そして、隣に居る雑渡は、四年ぶりだね」

横目で見る

「四年前に比べてたくましくなったね」

「お陰様で
A先輩は、タソガレドキに居たときよりも女性らしくなりましたね」

さっきのやり取りを見ていたようだ

「大川、引き続き調べてみたが、大変なことになってるぞ」

「大変なこと、ですか」

「はい、福原付近から、摂津の、そしてこの京にまでも、偵察をよこすそうです」

ここは京の都

賑やかなのを裏に取り、見つかりにくいと思い、ここに住んでいた

「そして、厄介なことに、大川、お前が疑われているぞ」

「私がですか
まぁ、疑われるのも仕方ありませんね
なんせ、奥方と子を殺すことになっていたのは、私でしたから」

店の品を真剣に選ぶ半助を見つめる

「さっさと、逃げることをすすめよう
実家にでも帰れ、お前の実家は忍術学園、ならば、貴族が攻めてこようが、返り討ちにできるだろ」

陣内が提案する

「私が始めたことです。私が終わらせますよ

山本先輩、雑渡、ありがとうございました。もう貴族の偵察はいいですよ」

「そうか、頼ることがあるなら、また文をだせ

雑渡、行くぞ」

「はい

先輩、また。お会いできますか？」

「暇なときにね」

暇なとき、その言葉の意味は、気が向いたら、と言う意味なのだ

「そう言って、会ってくれないくせに…」

雑渡の声は誰にも聞こえず

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