18 ページ18
ピアスを開けてから数日が経った。
すっかり安定したまだ何も飾られていない自身の耳を無意識にいじる。
メローネとの関係は相変わらずで、"悪い女になる"という作戦は彼が案を出しては私が拒否するという一連の流れを繰り返していた。
A｢………ねぇ｣
ﾒﾛ｢ん？｣
A｢私の名前ってなんだっけ？｣
.
ﾒﾛ｢…具合でも悪いのか？Aだろう。急にどうしたんだ？｣
A｢ﾝﾌﾌ、ﾝｰﾝ、別になんでもないわ｣
嬉しそうに笑いメローネから顔をそらすA。
その姿はまるでキラークイーンのようで、いつでも男を虜にしてしまうような、何とも不思議な魅力があった。
.
メローネ、彼は滅多に私の名前を呼んでくれない。
君、だとか、おい、だとかばかり。
私は彼が名前を呼んでくれることがとても好きだ。
理由は自分でもわからない。
でも高級な料理の量が少ないように、たまに行くおばあちゃんの家が楽しいように、たまに呼んでもらえるからこそ特別で、少しくすぐったいのだと思う
A｢メローネのピアスってさ、買ったの？どこで？｣
ﾒﾛ｢…ぁあ、どこだったかな。覚えてないよ、どうして？｣
A｢いや、キレーだなと思って｣
彼の耳元で太陽の光を反射しキラキラと輝いているピアスは綺麗な赤色をしていて シンプルながらも何か、とても惹かれる魅力を持ったデザインだった。
もちろん自分もオシャレなピアスが欲しい、という気持ちもあっての質問だが理由はもう一つある。
他に興味が無い。いや、これは語弊を生むかな？
興味のあるものにしか興味のないメローネがピアスをわざわざあけているなんて少し、いやかなり気になったのだ。
A｢誰かからの贈り物？それとも(ﾒﾛ｢あー、ぁぁ、もう質問ばかりするのはやめてくれ｣…あなただって私にたくさん質問するじゃない｣
自分は知りたいことを知れて他人には教えてくれないなんてズルいじゃないｯ！
少し乱暴に皿の上のパスタに入ったエビをフォークで刺す。
ﾌﾞﾂｯという苛立った心にはとても心地の良い音が両者の耳に届いた
ﾒﾛ｢ﾊｧわるかったよ。確かに質問攻めってのは気持ちいいものじゃあないらしいな。反省したよ、いやほんとに。
…………。｣
A｢？…なによ｣
ﾒﾛ｢いや、……お詫びと言っちゃなんだけどさ…今週末空いてるか？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【ジョジョ5部】暁色に染まった硝子の橋 【ブチャラティ】
【ワンピース】 SHAMBLes sec.【トラファルガー・ロー】 【ワンピース】 SHAMBLes third.【トラファルガー・ロー】もっと見る
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寝子 - そうだった…。この小説ﾀ ﾋネタなんだった…。油断してました。今まで読んだメローネ夢の中で最高の小説です。ありがとう。 (8月8日 22時) (
レス) @page48 id: e527a68e96 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - はじめまして！この作品を最後まで読ましてもらいました本当に有意義な時間を過ごせたような気がします。ありがとうございました (2023年3月13日 8時) (レス) @page48 id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
ななちき - 初見です。これ見て泣いてしまった…素敵な夢小説を無料で見れてとても嬉しかったです。ありがとうございました。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page49 id: b8d74a9374 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - 鳴々さん» はじめまして、こちらこそ最後まで読んでいただきとても嬉しいです！わざわざコメントまでありがとうございました。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 73a3f062ce (このIDを非表示/違反報告)
鳴々(プロフ) - 初めて夢小説を見て泣きました、素晴らしい作品をありがとうございます……。 (2020年9月28日 0時) (レス) id: 4f23e7a07e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴木 | 作成日時：2019年5月13日 22時
