スノードロップ【HiranoSho】 (ページ8)

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一日が終わりネクタイを緩めた俺の身体をフカフカのソファが受け止めてくれた。

今朝、廉から言われたことが気になり少しだけ部屋を片付けてみたりする。

床には資料が散らばり

机には本が煩雑に積み重ねられている。

ひと袋ほど出たゴミ袋を玄関へ持っていく道中でカップ麺とコンビニ弁当の空容器のタワーにも出会った。

汗ばんだ俺はシャワーを浴びる事にした。

社長になってからは、サラリーマン時代の家から引越し広い部屋に越してきたから掃除すら大変に感じる。

ま、引っ越したことに特別な意味は無いけど。

「明日は休みかー」

手帳を見ながら暫く無かった休日に少しの高揚感を覚えソファに腰掛ける。

- prrrr

こんな時間に誰からだろうか。

『はい』

「夜分に失礼致します。藍沢家政婦紹介所の藍沢と申します。」

『はい』

聞いたことの無い名前に戸惑いながらも、仕事用の番号にかかってきた電話なので、話を続けてみる。

「本日、ご依頼頂きました内容につきまして、早速明日お話させて頂きたいのですが、ご都合のよろしいお時間はございますでしょうか？」

『時間…明日ですか？』

「はい」

どういうことだろうか

家政婦を頼んだ覚えなんてひとつもない。

『掛け間違えでは無いですか？』

電話の相手を怪しい勧誘だと決めつける。
どこかで番号が流出してるのか。

「失礼ながら、ご依頼人様のお名前は平野紫耀様と伺っておりまして。」

話の展開がここまできたら、
心当たりがないと言ったら嘘になる。

『もう一度、社名伺えますか』

「藍沢家政婦紹介所でございます」

「失礼いたしました。お電話頂いていたのは永瀬様なのですがお話が通っておりませんでしたか？」

『ああー…入れ違いがあったかもしれません。明日なら何時でも大丈夫です』

「恐れ入ります。それでは、当紹介所人気No.1の家政婦がおりますので、その者を連れて正午頃伺わせて頂きます」

平野余計なことを

れんあれ?もう連絡来たん?

れん評判良いとこやし、試してみ!

評判が良いというものの、

家政婦に人気だとか、そんなものは存在するのだろうか。

自宅に他人を上げることになったので、もう少しだけ片付けの続きをして寝ることにした。