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ネジ4つ ページ5

にこにこ笑っていてもコナンはどく気配がない。断固としてどかぬ所存である。

安室のほうもそんなコナンを咎める様子はなく、コナンと同じくにこにこと笑ってAを見つめていた。

珍奇…なんと珍奇な。

「なんで留まってほしいんですか?」

「少しでも長くあなたと居たいからですよ」

「なぜですか?」

「お姉さんが好きだからだよ」

「それはどうして?」

2人は口を揃えた。

「あなただから。」

……。……つまり、そういうことでしかないのだ。

珍奇、奇っ怪、どこかのネジが外れてる。

それでも、まあ受け入れるしかないのだろう。

Aは鞄からノートと教科書を取り出し、指定された課題に取り組み始めた。

Aの足を止めることに成功した2人は幸せそうにその様子を眺める。

「ああ、もっと早く話しかければよかったなあ」

「小学生男子は怖いらしいからやめた方がいいんじゃないか」

「例外になれる自信はあるよ」

「…例外になるだろうと確信してたから阻止したかったのに…」

「大人げないね安室さん。」

「こういうことに大人らしさを求める方が無茶だ」

「まあ、ね」

コナンはノートをのぞき込むフリしてすっとAに身を寄せる。

「こら待てコナンくん、近すぎるぞ」

「だって僕何書いてるか気になるんだもん〜」

「嘘つけ!Aさんの邪魔はしないでもらえるかな」

「お姉さん気にしてないみたいだし、大丈夫じゃない?」

「Aさんは基本どんなことも気にしない人なんだ!」

「じゃあ尚更大丈夫じゃん」

「クッ…!」

子供らしくなくえげつない方法だ。安室は唇をかんだ。

コナンに言わせれば、『こういうことに子供らしさを求める方が無茶』ということだ。

コナンだって必死なのである。なりふり構ってはいられない。

使えるものはなんでも使うスタンスなのはお互い様だ。

火花を散らす2人を梓はカウンターの中から困り顔で見ていた。

「あれだけ近くで騒がれて、Aさん大丈夫かなあ…」

目を凝らしてみると、全く問題はなさそうだ。

梓はそれを見て、ああやっぱりあの子のああいう所好きだなあ、と思い直したのだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 逆ハーレム   
作品ジャンル:ラブコメ
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Mito - すごくいい作品ですね 私はこの作品が大好きですよ (2021年3月28日 23時) (レス) id: 121f4f7b22 (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - コメントありがとうございます!色々読んで頂けているようで、ありがたい限りです!(まさかほろにがクラゲさんからコメントを頂けるとは思っておりませんでした、光栄です!こちらこそ応援してます!) (2019年12月6日 14時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - はちゃめちゃに名作でした…おかしいな、と思ったことをそのまま世界観にしてしまう発想が素敵・:*+.\(( °∀° ))/.:+連載中の他作品も読んでます、いつも細部の凝り方がすさまじいなと圧倒されます……これからも応援してますね!! (2019年12月5日 18時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - シンアさん» 最後まで応援ありがとうございました!これからもお楽しみいただける作品を作れるよう頑張ります! (2019年4月22日 21時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした…。また作品楽しみに待っています。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水落 | 作成日時:2018年11月3日 18時

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