救世主。３

１２７ ページ31

圭人は山田に向かって素早く移動して拳を振りかざした。



山田はそれを顔の前でクロスさせて防御するけど、圭人の拳の力が強すぎて後ろへ少し飛ばされた。






山「ぐっ！なんだと…」

圭「山ちゃんだって俺たちメンバーにこんな酷いことしたくないだろ？！」

山「俺はインベーダーの四天王、ルシファーだ。」

有「四天王だって！？」





やけに山田だけ飛び抜けて強いわけだ。





今まで戦った敵とも桁外れに強い。





相手が山田ってだけでも戦いづらいというのに、四天王っていうほどの力があるとかありなのかよ。






圭「うおりゃあぁ！！」

山「ぐっ！」

有「圭人！！」




俺が考えていると、圭人はまた緑の炎を燃え盛らせながら山田に殴りかかった。




山田は今度はそれを両手で受け止めて微動だにしなかった。




山「2度は効かぬ。」

圭「なにが四天王だ！そんな力に俺らが山ちゃんを救いたい気持ちが負けるわけがない！！」





圭人が山田に向かって叫ぶと、山田は目を見開いて圭人を見た。




それと同時に、山田の手の力が抜けて山田の顔に圭人の拳が入った。





山「ぐはっ！！」

有「山田！」

山「やめて……くれ……お願い、だから…逃げてっ！」




殴られた右頬を押さえながらゆっくり立ち上がった山田の瞳は深紅の色からいつもの山田の瞳の色に変わってた。




有「やっぱり山田は消えてなかった！お前を置いて逃げるわけないだろ！」

山「頼むっ……逃げ―――」


『戦え、ルシファー。』



なんだ、今の声。



まるで俺たちの脳裏に響く様な声、そしてどこかで聞いたことのある声だ。



山「かしこまりました。デーブル様。」





デーブルだって！？そうだ、あの声はあの楽屋にいたときに！





デーブルの声を聞いた山田はまた瞳に深紅の色を宿してしまい、圭人に向かって猛スピードで走り出した。





山「闇黒殺刃。(あんこくさつじん)」





山田が技名を唱えると、また漆黒の剣を出現させて圭人に斬りかかった。




圭「乱れ斬り！」





圭人も呪文を唱えると両腰についている鞘から出した刀が緑色に光る。




圭人が山田に向かって斬撃を入れると、山田はそれを剣で斬り交わした。

１２８→←１２６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す