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騒がしくなった病室にアオイさんが現れた。
そして注意される。彼らは病人である、と。
確かに、私も少し騒ぎすぎたかもしれない。
「ごめんなさい、その、また会えたのが、嬉しくて…」
「うっ…、ま、まあ、今回はこれで終わりにしますけど!今後はもう少し静かにお願いします!」
「Aちゃんが俺とまた会えて嬉しいって!!これもう結婚かな!?結婚だよね!!今すぐここで祝言をあげよう!!」
「そこうるさいですよ!!!」
相変わらずの様子に安心して胸の辺りがぽかぽかと暖かくなる。自然と口角が上がるのがわかった。
多分これは楽しいってことだ。
「お前笑えるんだナ」
親分、もとい、伊之助がこちらを見ていたことに気づく。
伊之助だけでなく、炭治郎も善逸も、もう行ったと思っていたアオイさんもこちらを見て固まってる。
私が笑うのはそれほど衝撃的だっただろうか。
首を傾げるがまだ彼らは動かない。
ようやく誰かが口を開く、それは炭治郎だった。
「俺、Aが笑ったの初めて見た…」
「まじで、今、心臓止まりかけた、いやもしかして俺の心臓止まった?え、俺生きてる?」
「うるせぇゾ紋逸」
心臓がバクバクとうるさい
顔が熱い、なんだか前にもあったような、なかったような
「……はずかしい」
暑くなった顔を手で隠す。
恥ずかしい、羞恥心、こっち見ないで
それっきり3人は黙ってしまったし、アオイさんも慌てた様子で部屋から出ていってしまった。
炭治郎の寝台の近くに椅子を持ってきて座る。
「あの、ね、私、1人で任務行った時、みんなが居なくて、寂しいなって思った」
「でもね、約束、したから。帰らなきゃ、って思った」
「だけど、なかなか会えなくて、もう会えないのかもって、思ったりして、だから、今会えて、すごく嬉しい」
「はやく、元気に、なってね?」
こんなに喋るのは初めて。
ちゃんと言いたいことが伝わっただろうか、不安でしかない。
表情を見るのが怖くて顔を伏せていたけど、あまりにも反応がないものだから顔を上げる。すると炭治郎と善逸は泣いていた。
「な、なんで、泣いてるの」
「俺はAの成長が嬉しくて…!」
「俺はAちゃんがそこまで俺のこと考えてくれてたのが嬉しくて!!!」
相変わらず騒がしい。
廊下の方で走ってくる音が聞こえる。
きっとまたアオイさんに怒られてしまう、けど、本当にまた出会えてよかった。
「ありがとう」
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くずもち(プロフ) - いさん» なかなか時間が作れず更新疎かになってしまってすみません、、。ありがとうございますっ! (2020年3月1日 2時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
い - くずもちさんのお話がとても好きです!このお話をこのまま続けてくれると嬉しいです (2020年2月29日 21時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - あさん» 了解しました、書かせて頂きますっ! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - マリィさん» ありがとうございますっ!承りました、書かせて頂きます! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 柱達に甘やかされるお話が見たいです! (2020年2月15日 13時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くずもち | 作成日時:2020年1月26日 19時