【 ヒプマイ / 男主 】 ユーレイと同居することになりました

同居生活17日目 ページ18

・ 帝統side



そう、ちゃんと見た。声も聞こえた
「ありがとうございます、本当にありがとうございます」って。
そして茶色の封筒を手渡していたところも

鳥肌が立った

あの優しかった親があんな変わるのかって

それから1ヶ月くらいして、トラックの運転手は捕まったし
その2週間あとに両親も捕まっていた

"息子が事故死する数日前、保険に入っていた事が発覚"

"お金が欲しかった"

"本当はいらない子供だった"

すごい言葉を次々に並べて苛立ちを覚えた
あいつの両親は俺の大事な親友を奪って。…あいつの楽しみも、夢もすべて奪って…

何も感じなかったのかって


、







、


「…あ、悪ぃこんな暗い話してよ
今日は俺の奢りで飯行くぞ！」

「え、帝統お金あるの…？」

「ふっふっふ…この前ギャンブルで大勝ちしてよぉ…！」

「意外ですね…じゃあ回らないお寿司でも食べに行きますか」

少し不敵な笑みを浮かべる幻太郎、流石に…回らない寿司は…

「あ！それ賛成！」

「ちょっ…マジで言ってんのか…！？」

「大勝ちして奢ってくれるんでしょう？これくらい容易いことでござんしょ？」

と、もう逃がさねぇという感じで見てくる幻太郎
そして期待の目を向ける乱数

〜…断れねぇっ…

「あ゛ー！わぁったよ！今日は寿司な！！」

「やったー！」

「ふふっ、じゃあ早速行きましょうか」

二人は先に歩いていく
…俺、もう一つしなきゃいけねぇ事があったわ

ポケットに入れていた紙と鉛筆を出して膝の上で文字を書く
見てくれるのかも分かんねぇけど…伝えねぇと。後悔したから…今言わねぇと

"大好き"

というベタベタな三文字を書いた紙を墓石の前において小石で押さえる

「今でも大好きだからな、A」

…今までずっと言えなかった言葉、お前が死んでから言うのもおかしいけど…言わないよりはマシだろ

「帝統ー！！遅いよ！早く！」

「お！悪ぃ！」




＿お前は今、何処で俺を見てるんだよ。

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