【安室透】黒い世界に舞う天使４【黒の組織】

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「そういやAちゃん、浪人しちゃって独り暮らしって、お金とか大丈夫なの？」


ちゃっかり私に奢ったはずのスーパーチョコレートパフェを頬張る風待さん。


……まあこのパフェ、一人で食べるには大きすぎるからいいんだけど。


「お金はあるにはあるんですけど……やっぱりアルバイトとかは、しておいた方がいいんですかね？」


私が首を傾げると、風待さんはこくこくと頷く。



「お金はいくらあってもいいし、そういう時期って、何にも属してない不安とか大きいと思うから、やっておくに越したことはないよ」


そっかぁ……じゃあアルバイト探さなきゃだな。


カフェ？本屋？私の性格からして以外と事務職とかも向いてるかもしれない。



パフェを食べながら、そんなことを考えていると


「ねえ、バイトなんだけどさ、うちのところでやってみない？」


風待さんが身を乗り出して言ってくる。


「え？風待さんのとこの……？」


「そうそう！私、副業でそこのバイトやってるんだけどね、今募集してて」


「どんなお仕事なんですか？」


私がそう聞くと、風待さんが「んー……」と唸り始めた。


「それが、いつもバラバラで……落とし物を探したり、荷物を運んだり。万屋(よろずや)みたいな感じ？」


なんかパッとしないなぁ……。


どんな言葉で断ろうか考える。


「出勤する日も月に数回なんだけど……実はね、給料が＿＿」


手招きをする風待さんに、私が顔を近づけると、コソッと耳打ちをして教えてくれる。


「え！そんなに？」


私は金額を聞いて目を丸くした。


アルバイトにしては貰いすぎな金額だ。


それだけの金額があれば、貯金まで出来てしまうほどだ。


「どうどう？気に入った？」


「……か、考えときます」

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