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A「立花先輩っ…鉢屋先輩っ…………っ……もうだめだ…もう…許さないっ!」
Aは不破の元を離れ、男へと走り出した。
片手には苦無を構えている。
男「!?」
男は驚き、手裏剣を数発打った。
しかしAは手裏剣を目で追いながら、ギリギリのところで避けていった。
Aから溢れ出す殺気に、摂津は一歩も踏み出せずにいた。
伊賀崎「A!」
しかし、伊賀崎は木の陰から飛び出した。
A「くるな!」
Aは苦無を構えながら、伊賀崎に停止の指示を出した。
あまりの迫力に、伊賀崎は止まった。
なおもAは走り続ける。
男「くっ!」
男はAに向かって苦無を構えて、戦闘態勢に入った。
A「許さないっ!許さなぁぁあいっ!」
Aの構えた苦無と、男の苦無が重なり合う。
互いの苦無が弾け飛んだ。
それを合図に、Aと男の組手が始まった。
Aの蹴りを、男は避ける。
男の拳を、Aは食い止める。
その組手は、誰も手を出すことができないほど。
音が鳴るようなスピードで、拳や蹴りが乱れあった。
しかし、男は悟り始めていた。
Aの怒りに任せた攻撃は、男には反応しきれないほどのスピードを出していた。
Aには速読で培った動体視力があるためか、男の拳や蹴りをサラリと避け始めていたのだ。
Aの小さな複数の攻撃は、明らかに男の体力を奪っていたのだ。
男「くそっ!」
男はたまらず、暗器を打つ構えに入った。
A「打たせてなるものかっ!」
Aは男にできた死角である、右わき腹に蹴りを打ち込んだ。
男「ぐあっ!?」
怯んだ男の腹部に、Aは苦無を突き刺した。
男「ぐっ!?…あっ…あっ…くそっ…が…」
男はよろけながら、後方にある木倒れた。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:屋 | 作成日時:2018年1月25日 12時