好きな人は褒め上手2 【落第】完結済み (ページ13)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:11,796 hit

63 ページ13

A「ねぇ…孫兵くん………」
伊賀崎「なんだいA？」
伊賀崎は振り返らず、返事をした。
Aの腕に力が入った。
A「僕がこれから言うことを聞いて…もし嫌な気持ちになったら、このまま僕をここに落としてほしい……」
伊賀崎「………なに？」
伊賀崎はAが良からぬことを考えていると思い、大雑把に返事をした。
A「僕…AAは…………伊賀崎孫兵が好きです。」
伊賀崎「…っ！？」
伊賀崎は足を止めた。
前を歩いている他生徒は気づいていない。
A「一年生の頃からだよ。僕の一目惚れ。僕が孫兵くんのことが好きだって気づいた時、この気持ちは一生言ってはならないと決めた。だけど…だけどね孫兵くん、今回こんなことがあって…拷問されている間ずっと、僕は後悔したんだ。何故、孫兵くんに好きだと伝えておかなかったんだって……このまま死んでしまったら…って考えたら、本当に怖かった。」
伊賀崎「A…」
A「気持ち悪いよねっ！ごめんね！忍術学園に戻ったら、すぐに部屋を変えてもらうように言うから！頑張って孫兵くんに近づかないようにs「いやだっ！」…ま、孫兵くん！？」
大声で叫んだ伊賀崎に、Aは驚いた。
前を歩いていた他生徒は、驚いて振り向いた。
伊賀崎「僕は、Aが離れていくことは耐えられない！僕も、Aが好き…僕が愛しているのは、Aだよ。」
A「…う…うそ」
伊賀崎「嘘じゃない！僕だって、ずっとずっと前からAのことが好きだ！」
伊賀崎はAをその場に下ろした。
立ったままのAの前に、伊賀崎は片膝をついた。
A「まっ、孫兵く…！？」
伊賀崎はAの言葉を待たずに右手をとり、小指にそっと口付けた。
伊賀崎「僕の…恋人になってください…」
伊賀崎は手に取っていた右手を、そっと撫でた。
A「！？…は、はいっ！僕を、孫兵くんの一番にしてください…」
Aは顔を真っ赤にして、涙を流した。
伊賀崎「Aっ！」
伊賀崎は勢いよく、Aを抱きしめた。