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小松田「あっおかえりですか?出門表にサインお願いしまぁーす!」
門の入り口には小松田がいた。
手には出門表。
男「生徒も書くのか?」
小松田「もちろんです!」
男「ちっ………ではAくん、サイン書いてくれるかな?」
A「はい…」
男はAに筆と出門表を渡すと、そっと耳打ちした。
男「余計なことするなよ…」
A「ッ………分かっています。」
Aは手を震わせながら、自分の名前を書きはじめた。
小松田「でも、できる限り外出届出してね!今回は、こんな朝早いから許されるけど…」
A「すみません、次回からは必ず…なにせ急だったものですから。ね、Aさん…」
男「!?…あぁ、すまなかったな…」
A「こちらこそすみませんでした。僕、すっかりいらっしゃること忘れていましたから……あっ…」
Aが男と話していると、出門表を落とした。
A「ごっごめんなさい!」
一瞬、男はバインダーを見て目線をAに戻した。
ガサ。
今度はAと男の後ろで、垣根が揺れる音がした。
男「!?」
男は後ろを振り返った。
沈黙の後、人の気配を感じなかったためか、すぐに目線をAに戻した。
Aは少し男を見ると、出門表を男に渡した。
男もスラスラと書いて、小松田に渡した。
小松田「今時、同姓同名なんて珍しいですね!では行ってらしゃい!」
A「そうですね…」
男「さぁ行こう、Aくん。」
男はまたAの手を取り、ズンズンと歩き出した。
ラッキーデザート
ババロア
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作者名:屋 | 作成日時:2018年1月23日 19時