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十三着目 ページ13

初めての質問に戸惑うまではいかなくとも、動揺くらいはすると思っていた。
中也はAにとってそれくらいの相手になっているはずだと自信があった。

しかしAは動揺するどころか余裕な笑みのようなものを浮かべ無言を貫き通した。

その瞳は細められているが動揺の色は欠片も見えない。
中也に質問されたくらいでは動揺一つ見せないのだ。

その事実に中也はショックだった。

「さあ、仕事に戻りましょう」

席を立つAに中也は心無い返事をした。
心の中は仕事をする気分ではなかったしAの選んだ服も今は着たくなかった。

「やっぱいい」
「え?」
「他の奴に頼む。お前は書類整理を続けてくれ。急に悪かったな」

一方的に話を終わらせて中也は部屋を出た。
1歩踏み出す事に足元に波紋が広がっていくようだった。

哀しみと、それから――――――

「汚れっちまった悲しみに」

紛らわすようにどこかで聞いたような詩をうたう。
相変わらず酷い詩だと思うも中也はこれが好きだった。

服は結局、部屋にあるものを適当に選んだ。
どうせ殺す相手とのご対面だ。

どんな服だろうが関係ない。

中也のヤケクソ癖は相も変わらずそのままで、それをわかっているのも自分で。

「死なせたくなる」

それは秘書に言ったわけでもなく、もちろんあ相棒に言ったわけでもなく、自分に向けての言葉。

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ハル - 面白かったです!とても感動しました!主人公が選んだ服や帽子を今も着ていると思うとグッとくるものがあります!大切なものを大切にしておこうと思いました!とてもよい話をありがとうございました!! (2017年1月27日 21時) (レス) id: d2f978314e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 加奈さん» ありがとうございます!!距離感は大切に書いていますのでそういう点に着目して頂けたのは嬉しいです! (2017年1月18日 7時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - もうなんか男主くんと中也の距離感が素敵過ぎて悶えますこの小説大好きです作者様ありがとうございます…… (2017年1月16日 21時) (レス) id: 191a0f55fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天さんさん» ありがとうございます! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - めっちゃ面白いです!!中也はやはりイケメンですね(吐血)更新頑張ってください! (2017年1月12日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年1月4日 0時

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