mafia ページ11
この横浜の夜を取り締まるポートマフィア。
まさか俺がそんな組織に入ったなんて聞いたらカオルはどんな顔をするんだろうか。
前を歩く太宰は俺に付いてくるように指示をしてから一度も振り返らずに歩いている。
大きな全面ガラス張りのエレベーターへ乗り込むと横浜の街を一望できた。
「着いたよ。」
太宰が大きな扉を開けるとそこには黒髪の少しやせ気味な白衣の男が立っていた。
「領主、こちらが先ほど話した新人です。」
「うん。連れてきてくれて有難う。…そして初めまして。Aくん。」
白衣の男は愉快そうに話を進める。
「太宰君から聞いたが、君、巷で有名な切り裂き魔なんだってね。いやなに、そんなに身構えないでくれ給え。私は君にお礼を言いたいのだから。」
「…お礼?何故?」
「あぁ、君が私たちの悩みの種だった金持ちを大勢、消してくれたのさ。本当に感謝しているよ。」
「…そういうことか。俺は暗殺部隊にでも贈られるのか?」
この男が俺を使うのはきっと目の上のたんこぶを消すためだろう。
「いやね、それも考えたんだけれど太宰君がどうしても自分の部下に欲しいと云うものだから君はこれから太宰君のもとで働くんだ。期待しているよ。」
「えぇ。彼の教育は私が勤めてみせます。」
太宰は少し楽しそうに笑いながら部屋を後にした。
「太宰、あの白衣の男、ポートマフィアの領主か?」
「あぁ、そうだよ。あの人がこの組織の頭だ。」
あれがマフィアの頭…
マフィア…その言葉を聞くと潮の匂いと金の空薬莢を思い出す。
俺は別に復讐をしに来たわけではない。
ただ拉致されただけだ。
けれど、
…あの人も殺し甲斐の在りそうな目をしていた。
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きりん。(プロフ) - Rさん» 有難う御座います!! (2017年6月11日 19時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
R - 今から読んでみます! (2017年6月11日 13時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - きりん。さん» ええ、もちろん。 (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - yumaさん» 読んでくださり有難う御座います(^言^)病んでるの好きでしょう?wwwww (2016年10月9日 22時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - いい感じに病んでますね(゚c_ (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2016年10月3日 0時