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先生の家に帰ると昨日と何一つ変わってない景色___
の中に朝私が置いていった紙が残されていた。
「こんなの捨てていいのに、、、、、ん?」
“お世話になりました。
あのことは誰にも言わないので安心してください。
ごちそうさま。
いい奥さんになるね。”
私の書いた文の下には、私の知らない字で書き出されていてそれが先生の仕業だとすぐに気付いた。
これを朝書いたってことは、もうその時点で私が帰ってくることが決まってたってこと?
きっと先生のことだから私の家にでも行ったのかな。
私が寝てから気付かないように母に会いに行ったりでもしたのかな。
考えれば考えるほど、そんなことしないでしょって思う。
だけどそれ以外ありえない。
色々ゴチャゴチャ考えていると、先生が帰ってきたらしくドアの開く音がした。
「お邪魔してます。」
『おかえりなさい!でしょそこは。』
「奥さんじゃないんで。」
『…そうだね。』
言ってからしまった、と思った。
奥さんが生きてたらこんな感じなんだろうか。
疲れて帰ってくる先生に毎日『おかえりなさい』と笑ったのだろうか。
「……おかえりなさい!!!」
『ん、ただいま。』
そう思うといたたまれない気持ちになって、気付いたら言ってしまっていた。
一瞬見えた切ない表情を隠すように、またあの笑顔で私の頭を撫でた。
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杏子(プロフ) - 美由希さん» 美由希さんご指摘ありがとうございます。 (2017年3月2日 22時) (レス) id: 211a017d12 (このIDを非表示/違反報告)
美由希(プロフ) - これは実在するグループ名、または団体を使った二次創作です。オリジナルフラグをお外し下さい。運営に削除されています。 (2017年3月2日 7時) (レス) id: c582e4328f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子 | 作成日時:2017年2月25日 0時