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今日は私の終わりの日でもあり、始まりの日でもある。
窮屈で仕方なかった“高校生”という肩書き。
少しだけ制服を着なくなるのが名残惜しくて、鏡の前で回ってみたりした。
「お母さん、」
私の男嫌いの原因を作ったこの人。
だけどその分私を守ってくれた人。
今は彼氏も作らず真面目に働いて、今日も私を見送ってくれている。
「私ね、先生が好きなの。」
母は驚かずに笑ってた。
「ずっと黙ってたけど、先生に奥さんがいるって嘘で__」
「知ってるわ、全部。」
「え、」
「何度も何度も、うちへ足を運んで話をしてくれたの。」
母以外に初めて、愛されているという感覚がした。
「あなたにピッタリな素敵な人ね。」
親に似ないで見る目があるのね、なんて笑うから涙を堪えながら私も笑った。
「……っ、でしょ?いってきます!」
早く会いたい。
早く抱きしめたい。
先生の辛い過去も、奥さんの想いも全部私が包んであげる。
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杏子(プロフ) - 美由希さん» 美由希さんご指摘ありがとうございます。 (2017年3月2日 22時) (レス) id: 211a017d12 (このIDを非表示/違反報告)
美由希(プロフ) - これは実在するグループ名、または団体を使った二次創作です。オリジナルフラグをお外し下さい。運営に削除されています。 (2017年3月2日 7時) (レス) id: c582e4328f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子 | 作成日時:2017年2月25日 0時