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「俺はAちゃんが作った飯を、一生食いたいって思うけどな」
机に頬杖を付きながら優しく微笑む鉄朗と目が合う。
『なにそれ。プロポーズみたい』
「プロポーズ、ですけど?」
さらりとおはようの挨拶みたいにプロポーズだと言った鉄朗の言葉に、本気なのか冗談なのか分からない私はきっとマヌケな顔をしているのだろう。
『…ぇ、っと?』
酔っ払いの戯言かと思うと嬉しいはずの言葉も、本気だと捉えてはいけないような気がして動揺が隠しきれない。
「ほんとは、もっとお洒落なレストランでプロポーズする予定だったから今日のはジャブ。
来週の休みに予約取ってあるから、そこで改めてプロポーズさせて?」
驚きと嬉しさで言葉にならない相槌はこくりと頷く事で精一杯。
ジャブでもないし、最早ストレートなプロポーズの予告を聞いた私は、お酒の味も肉じゃがの味も鉄朗とどんな話しをしたのかさえ、よく覚えていないままベットで鉄朗に抱きしめられドキドキとうるさく鳴る心臓を落ち着かせるように目を瞑る。
隣で規則正しい寝息を立てる彼の温もりと存在を確かめるように、鉄朗の胸元に顔をうずめれば大好きな匂いを吸い込み不思議と心臓の音も心做しか落ち着くような気がした。
プロポーズの返事は既に決まってる。
鉄朗がどんな時も私のそばに居てくれたように、私も鉄朗のそばにずっといたい。
所詮は他人だと思って付き合っていてもどこか一線を引いて、理解のある彼女でありたいだなんて思っていた事が少しだけ間違っていたのかもしれない。
好きな人の事は分かりたいし知って欲しいとも思う。
そういう小さな積み重ねが恋愛というフィールドで必要不可欠なのだろう。
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おむらいす(プロフ) - 黒瀬さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます=͟͟͞͞♡かっこいいクロになれて良かったです!笑またいつでも遊びに来てください♡ (2022年10月9日 10時) (レス) id: def19ab9bc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最高すぎてもうなんですかこれ……クロくんがもうかっこよくて、かっこよすぎて、しにそうでした。語彙力なくてごめんなさい。この作品に出会えたこと、本当に幸せです!おむらいす様に感謝! (2022年10月8日 19時) (レス) @page48 id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむらいす | 作成日時:2022年4月5日 20時