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鉄朗と付き合ってからいくつもの季節が移り変わり、夏の蒸し暑さが和らぎ金木犀の香りが鼻を掠め、気温が涼しくなっても仕事終わりの最初の1口目のビールは変わらずに美味しく感じる。
いつもの飲み屋で常連客という括りになった私達は店長にも良くしてもらって、料理が苦手な私は店長直々に肉じゃがや魚の煮付けなど和食を中心に教わったりもした。
鉄朗が和食が好きだと言っていたから「美味しい」と言ってもらいたくて私なりの努力。
それこそ理解のある彼女でありたいと思っているからなのかもしれない。
「会社の飲み会なんだ」と言われれば、彼の事だからその気がなくても場の雰囲気を壊さず盛り上げたり介抱したりする。
そういう面倒見のいい所は彼らしくて尊敬もするし好き。
だけど、彼女という立場からすれば不安感は拭えないのも事実。
『行かないで』とは言えないけれど…『寂しいから早く帰ってきてね』と私にしては可愛らしい女の子が言うようなセリフを言えるようになった。
鉄朗と付き合ってから自分のそういう変化に驚きと嬉しさを感じる。
「やっぱ和食がうめぇよなぁ〜」
そう言いながら出汁巻き卵をつまみにビールを飲んだ鉄朗を見ながら
『私もこんなに美味しいご飯作れるようになりたい』と肉じゃがを口に運び思わず本音が漏れる。
「Aちゃんが作るご飯うめぇよ?」
『んー…、でもここのお店の味は家庭の味って感じがして同じように作れないんだよね』
ここの飲み屋の料理は味も見た目も派手ではなくても家庭的でどこか安心感のある懐かしい味がする。
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おむらいす(プロフ) - 黒瀬さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます=͟͟͞͞♡かっこいいクロになれて良かったです!笑またいつでも遊びに来てください♡ (2022年10月9日 10時) (レス) id: def19ab9bc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最高すぎてもうなんですかこれ……クロくんがもうかっこよくて、かっこよすぎて、しにそうでした。語彙力なくてごめんなさい。この作品に出会えたこと、本当に幸せです!おむらいす様に感謝! (2022年10月8日 19時) (レス) @page48 id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむらいす | 作成日時:2022年4月5日 20時