36 ページ37
▼
鉄朗との水族館デートから約1週間後の金曜日。
今日は朝から寒くて天気予報では雪が降る予報が見事に当たって、夜には東京でも積もる程の雪。
子供の頃は雪が降ればワクワクと心が踊ったが、大人になると少しだけ寂しい気持ちからか人肌が恋しくなる。
恋をしているからなのか?と自問自答しながら、顔に熱がぶわっと集まった。
こんな日はなんとなく家に帰る気になれず、いつもの飲み屋に足が向かった。
・・・鉄朗がいたらどうしよう。
そんな事を思いながらいつも通りカウンター席に座り店内を見渡せば、鉄朗は見当たらず胸を撫で下ろす。
今日は来ないだけなのか、これから来るのだろうかと考えながら、次会ったら自分の気持ちを言おうと決めたあの日からずっとソワソワと落ち着かない。
告白をするなんて前もって決心したとしても緊張はするし、いつやってくるか検討も付かないその時を想像して心臓は持ちそうにない。
たった2文字。
されど2文字だ。
ガラガラとお店の扉が開く度にドキッと意識がそっちに向いてしまう。
人肌恋しいというよりも、鉄朗に会いたくて飲みに来た。
ここに来れば会える気がしたから。
『飲もうよ』と連絡をすればいいのかもしれないけど、いざ目の前に鉄朗がいたらきっと緊張して好きだなんて言えなくなりそうで、黒尾鉄朗という文字を見ては携帯を何度も閉じた。
22時過ぎ、いくら週末とはいえ外は雪だ。
鉄朗は来ないんだと半ば割り切ってお会計を済ませ、ガラガラと扉を開け1歩足を外に向ければ丁度入ってくる人とぶつかってしまった。
『っ、すみません…っ』
こちらこそ、すみませんと聞き馴染みのある声に思わず顔を上げる。
190人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おむらいす(プロフ) - 黒瀬さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます=͟͟͞͞♡かっこいいクロになれて良かったです!笑またいつでも遊びに来てください♡ (2022年10月9日 10時) (レス) id: def19ab9bc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最高すぎてもうなんですかこれ……クロくんがもうかっこよくて、かっこよすぎて、しにそうでした。語彙力なくてごめんなさい。この作品に出会えたこと、本当に幸せです!おむらいす様に感謝! (2022年10月8日 19時) (レス) @page48 id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おむらいす | 作成日時:2022年4月5日 20時