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そう俺の中で答えが浮かんだ。

だけど、彼女が何故涙を流しているのか分からないでいる。



「…最低じゃないだろ。

Aちゃんの気持ちが、その元カレの事を好きじゃなかったって分かったわけだし」


こんな返答をAちゃんが求めているわけでも気休めにもならないのは目を見れば分かる。



『でも…』と何かを言いかけたAちゃんの言葉を遮るように


「でも俺は、Aちゃんの事が好きだよ」



きっとこんな言葉ですらAちゃんは望んでなんかいない。
むしろ困らせるだけだと分かっていても、今伝えなければ後悔するんじゃないかと第六感が働いた。



「関係ねぇっつーか、いや、、そんな事もねぇけど…

Aちゃんがまだ元カレの事を好きだってのは最初から分かってたし、それを知った上で俺はAちゃんが好き。」



未だに俯いたまま目を合わせようとしないAちゃんの頬に手をそっと添え、ゆっくりと目を合わせれば長いまつ毛に涙の雫が付いていてそれすらも色っぽい。



「俺の気持ちを知った上で俺に対して申し訳ないとか、もう俺に会いたくないとか言うなよ?

俺が会いたくて会いに来てるだけだし、好きだって言いたくて言ってるだけだから」




こんな状況でも自分の気持ちを口にするのは、なんて女々しくて自分勝手なんだと思った。


『…うん』と弱々しく答えたAちゃんの顔はほんの少しの笑みを浮かべ頬を赤く染めながら

『鉄朗がそばに居てくれて良かった』と、俺の手を握り返した。



気が付けば俺はAちゃんを抱きしめ頭を撫でながら

「好きな女の子の傍にはいたいんですぅ」

少しでも笑って欲しくて、照れながら『鉄朗のバカ』と思って欲しくておどけてみせた。

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設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗 , 音駒高校   
作品ジャンル:恋愛
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おむらいす(プロフ) - 黒瀬さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます=͟͟͞͞♡かっこいいクロになれて良かったです!笑またいつでも遊びに来てください♡ (2022年10月9日 10時) (レス) id: def19ab9bc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最高すぎてもうなんですかこれ……クロくんがもうかっこよくて、かっこよすぎて、しにそうでした。語彙力なくてごめんなさい。この作品に出会えたこと、本当に幸せです!おむらいす様に感謝! (2022年10月8日 19時) (レス) @page48 id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむらいす | 作成日時:2022年4月5日 20時

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