飲み友達の黒尾鉄朗に今日も口説かれる【黒尾鉄朗】

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『おー、研磨ぁ〜
この子がAちゃん』


鉄朗のThe 男！という感じとは正反対のイメージ。


「わかったから。
取り敢えず水でも飲んで寝てなよ」と私に持たれかかった鉄朗を引き剥がしてくれた。


「いつもクロから聞いてる」と少し視線を逸らしながら研磨さんは私に向かって「お世話になってるみたいで…」と言う。


『ぁ…はい、いえ！』

そんなあたふたする私の返事に研磨さんはふわっと笑った。







いくら週末とはいえ２３時過ぎ、さすがに遅くなってしまったと思い『じゃあ、私はこれで』と研磨さんに挨拶をし席を立った。


その瞬間掴まれた右腕。


「送ってく」


いつものように鉄朗が立ち上がりグイグイと私を引き摺るように出口に連れて行く。


『え、いやっ、、ちょっ…』

何だよとでも言いた気な鉄朗に『友達いるでしょ！』と研磨さん達のいる席の方に視線をやれば「アイツらは男だからいいんだよ」と、私が思った事とは違う返答が返ってきて戸惑っていると


「じゃあ、クロの事よろしくね」とヒラヒラと手を振る研磨さんに見送られてしまった。


一つ溜息を吐けば「行くぞ」といつもよりも少し体温の高い鉄朗に握られる手。


思ったよりも足取りはしっかりしていた鉄朗に『どのくらい飲んだの？』と聞けば「わかんねー」の一言。


『今日は1人で帰れるよ。
鉄朗こそ早く家に着いて酔い覚ました方が…』


私の言葉に被せるように


「好きな子の事はちゃんと送りたいんですぅ」

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