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▼宮治side
教室に戻れば、随分遅かったねと俺の机に肘をついて紙パックの飲むヨーグルトを飲む角名。
角名「なに、告白OKしたんだ?」
女の子からの呼び出しにもわりとすぐに帰ってくる俺が珍しく角名の体感時間よりも遅かったらしく、告白をOKしたと思っとるらしい。
「なわけあるかい!
今は彼女なんていらんねん!」
そう言われさっき初めて話したAさんが頭に浮かんだが、気付かないふりをして食べかけの弁当を口に運びながら答える。
角名「ふ〜ん。今は、ね。」
体勢も目線も昼休みの雰囲気でガヤガヤしとる廊下に向け、相変わらず飲み物を飲みながら話す角名が何をそない見とるんか気になって角名の視線の先を辿れば、俺の教室の扉の前で誰かを探しとるようにキョロキョロしとるAさんの姿。
角名「モテるって噂だよ。
グズグズしてると誰かに取られるかもよ」
そう言いながら角名は席を立ちAさんの元まで行けば、如何にも前から知り合いでしたとでも言うように仲良さげに話しとるのを見て、声にも出せないくらいの動揺からか、箸で掴んどった卵焼きがポトッと落ちる。
角名とAさんの関係はなんやろか。知り合い?顔見知り?友達か?恋人なのか?と未だにそこで話しとる2人に聞かんと分からん2人の関係性を1人で答えを出せずに悶々としとるうちに予鈴が鳴りぞろぞろと廊下で騒がしかった人らも各々教室に戻っていく。
気が付けばさっきまで仲良さげに話しとった2人は既にいなく、角名は自分の席に着いて5時間目の授業の準備しとった。
なんで角名とAさんが仲良さそうなのを見て動揺しとるのか、なんで1年の時から一方的にとは言え俺の方が先にAさんの事知っとるはずなのに、俺ではなく角名とえらい親しげだったのか。
このモヤモヤしたもんがヤキモチや独占欲なのかと、漸く自分のAさんに対して今まで抱いとった感情が恋愛特有の感情であると理解した。
先行っとるで、と部室で一緒に着替えとった侑と入れ替わるように角名が部室に入ってくる。
数時間前にAさんと角名が話しとる光景が蘇り、勝手に角名に対して1人で敵対心を抱く。
角名「Aちゃん、今彼氏いないよ」
「は?」その発言に怒っとるわけやなく、開口一番に何を言われるんかと思えばAさんに彼氏はおらんという事と、俺にとってはまだ関係性の薄いあの子の事をAちゃんなんて呼べへんのに、角名は如何にも当たり前かのように呼んどる事への驚きからだ。
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作者名:おむらいす | 作成日時:2022年3月20日 15時