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▼宮治side
だから彼女はいらんねん。
告白をされる度に部活に専念したいからゆうて断る。
別に嘘ではないやろ。
昼飯の時間の合間に中庭に呼び出され、そない話した事もない女の子に告白をされる。俺の中では決まり文句のようになったセリフを言って君とは付き合いたくないとやんわりと伝えた。
俺も教室戻らな、昼飯の時間やねんから急がないと。
数歩歩いた先に見えたのは何故か申し訳なさそうな顔をしたAさん。
彼女が手に持っていたミルクティーが目に入り、きっと自販機に用事があってここに来たけど聞くつもりもなかったが今の現場を見てしまったんやなと気付く。
「ミルクティー好きなん?」
気が付けば在り来りな事を聞いてしまった。別に会釈くらいして教室に戻ればええのに、この子の事は何故か気になるし知りたいと思ってまう。
『3つで迷ってたから同時押しで出てきたのがミルクティーだったの。だから、、これ』
と言って、まだ一口も飲んでないであろうミルクティーを見せてきた。
3つ同時押しってなんやねん優柔不断すぎるやろと、今まで俺が傍目から見て感じていた彼女の印象とは全然ちゃうし、部活中の彼女はシャトルの早い動きにも瞬時に判断し動き相手の動きも読んでプレイをしとる姿を思い浮かべれば、意外やなと思うと同時に知らない一面を知れたような気がして嬉しくなった。
Aさんって無意識のうちに呼んどって、「あ、あかん。絡んだ事もないのに」と内心焦ったが彼女は表情一つ変えずに『宮くんは…』と俺に質問。
宮くん呼びなら、もし俺と侑が一緒におってAさんに宮くん!と声を掛けられれば絶対に侑も反応する。あの侑の事だ「えらい可愛ええ子に知って貰えとるなんて嬉しいわあ」とAさんの手でも握りそうな勢いで近付くだろう。それだけは嫌や。
「俺、治。宮治!
双子やし宮くんじゃなくてええよ」
治って呼んでくれの意味を込め、宮呼びはややこしいからと本心は隠して。
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作者名:おむらいす | 作成日時:2022年3月20日 15時