そこまで推しという訳ではない【宮治】【完】 (ページ18)

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▼宮治side

せやけど、結局あの時Aさんを追いかけなかった事は事実でその後の練習試合はほんまにいい結果もプレーも残せんかった。

角名「Aちゃんこの間の練習試合きてたね。誘ったの治でしょ？」

「せやな」

角名「あの後なに話してたの2人で」

「好きな人とご飯食べてきてよ、言われたわ」

角名「は？なにそれ、どゆこと」

「あー。多分俺がAさんが来てくれたから格好良いプレーしてる所を見せたくて〝好きな人が来てるから〟言うたから…やと思うんやけど…」

でもなんでAさんが泣きそうな顔をしとるかは分からん。

角名「で、色々誤解されて今避けられてるんだ？」

「避けられとるって自覚あるから傷抉らんといて…」

角名「治さ前に彼女なんていらんって言ってたけど今は？」

結局あの日からAさんと話せてへん。

元々クラスも部活も委員会もちゃうから接点なんて初めからあらへんし、前までなら朝練終わりに部室棟から教室まで歩けば遅刻ギリギリで来るAさんに挨拶も出来てたけど、今は早く来ているのか4組の前を通れば既に自分の席に座って友達と話してるのが見えた。

購買に行っても中庭の自販機に行っても、第2体育館を覗いてもまだ捻挫が完治していないのかおらん。
その時までは避けられてるんだゆうより、タイミング悪いんかなくらいに思っとったけど、部活前にAさんが廊下を歩いてるのが見えて今しかないって思って声を掛けたが

『ごめんね、今急いでて職員室まで行かなきゃいけなくて。』

治「待っとるよ」

『ぇ…っと、多分時間掛かっちゃうし話しならメールでもいいし！
それに！おさ…宮くん部活遅刻しちゃうよ』

治「嫌や。Aさんの顔みて話したいからメールはせん。いつならいいん？」

『いつって言われても…。』

俺と話す機会を作りたくなさそうなAさんと、話したい俺。
少しの沈黙を破ったのは俺で

治「じゃあ毎日Aさんのとこ行くことにするわ。そない毎日毎時間予定あるわけちゃうやろ？
じゃ部活行ってくるわ。気ぃつけて帰ってな」

治って呼んでやって言うたよな。
なんで宮くん呼びやねん。