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隙間 #ALL ページ45

授業中に机からテンテンと落ちた善逸の消しゴムを拾ったのは、彼の隣の席に座るAだった。

「善逸、消しゴム落ちたよ」

「あぁ、あり…がと」

屈んだ時にチラリと見えた彼女の胸の谷間に、善逸は不自然過ぎるほどに視線を逸らした。笑顔で消しゴムを手渡してくる彼女は、そんな彼の目の動きに気づきやしない。なのに、胸元で揺れてる小さなネックレスが”こっち見て!”って言ってるように見えるのは気のせいか。

「あれは男物のシャツだ!」

昼休みに屋上へ集まった彼等の話題は、Aのシャツについてだった。先に口火を切ったのは善逸で、彼の視線の先には中庭で宇髄先生と笑い合っているAがいる。

「しゃがんだ時、胸見えた」

パンをがっつきながら淡々と話す伊之助の言葉に善逸は、アレを見ていたのは自分だけじゃなかったのかと安心したと共に、少しだけ悔しくも感じた。すると炭治郎が憤慨したように口を開く。

「伊之助!そんな時はそれをちゃんと本人に伝えないとダメだろ!」

無茶苦茶な正論をブチかます炭治郎だが、それを流すかのように低い声をあげたのは無一郎だった。

「それなら僕も見たよ。だって勝手に見える、Aが大きめのシャツを着てるから」

「正直に言うと俺も見てしまった。彼女は無防備過ぎる」

Aが悪いと呟いた無一郎のあとに、真剣な顔の愈史郎がそう告白する。

「みんな良くないぞ。女の人の隠された肌は見ないように努力するべきだ」

眉をひそめながら、炭治郎は先程よりも怒りを露わにする。伊之助と無一郎はそこまで気にしていないのか、適当にウンウンと頷いていた。

「そこまで言うんなら、炭治郎は見てねぇのかよ」

玄弥の不意を突くような質問に、炭治郎は「俺も見てしまったけど、はだけているよと彼女に伝えた!」と元気よく答える。そう言う問題なのか?多分違う。
そんな彼の様子に善逸は呆れ顔で輪になるみんなに尋ねる。

「とりあえず見た奴、手上げて」

周りを見渡し挙手を促せば、見事に全員が手を宙に上げた。素直といえばポジティブだが、それにしても呆れかえるような結果だ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:りん | 作成日時:2019年8月19日 13時

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