32 重圧 ページ33
「敬礼!」
「そんなことしてる場合があれば、その腕の傷をどうにかすれバ」
「……あぁ、そうですねぇ、なんでこんなことになったんですかねぇ……」
あんまりだ
夜道を去っていくパトカーに敬礼していると、そんな行動に意味もなにも感じなくなって手を降ろす
裂け目が入った白衣を眺める
そこからは今も尚、鮮血が溢れ、張り付いた白衣に赤い染みを瞬く間に作った
痛みは感じない、寧ろその傷口の中身が気になってしまう
「手当てしよウ」
「へーい」
こんなことになってしまった訳、
時を遡ること30分前
「それじゃあさよなら、魔法使いさん」
「さよな、……ラ」
「どしたんですか……んんん……?
魔法使いさんの、知り合いですか…?」
なんとなんと玄関先で硬直する魔法使いさんが後ろに下がり、再び廊下に足をつける様子を眺めると、そこには不気味な男性が立っていた
果物ナイフを握って
「下がっテ…!」
「は、はひぃ……」
後ろに2、3歩下がる
脳を駆け巡る緊張感と、まだ状況を把握できていない私の感情は入り交じるばかりで、脳を回転させることなんて不可能に等しかった
その男性を見れば、目を隠す乱れた黒髪、おそらく中年辺りだろうか、そのいかつい体つき、自らを怪しく隠すマスク、真っ黒なロングコート
あれだ、例えるならば強盗
え、これかなりヤバイのでは
冷や汗が流れる
ナイフはギラギラと鈍く光り、恐怖心をより一層増やす
「ま、魔法使いさん、危ないですよ…………?」
「大丈夫だかラ、安心しテ」
こっちを見て微笑む魔法使いさんが、消えてしまいそうで、そのままいなくなってしまいそうで手を差し伸べようとすると、
重い、重圧を感じる声が、どこか弱々しい男の声が聞こえた
「……お前ら、生きたいか?」
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plum(プロフ) - あおばさん» コメント有難うございます!こちらこそ応援してくださり感謝です、これからも頑張りますので是非plumをよろしくお願いしますね (2017年10月10日 0時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
あおば(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白くていつも更新を楽しみしてました!!これからも頑張ってください!! (2017年10月9日 19時) (レス) id: b75586ec16 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - すのーどろっぷさん» コメント有難うございます!面白く出来て良かったです。何とかあの二人を結びました(強制)。こちらこそ最後まで見てくださりありがとうございました。これからも頑張っていくのでよろしくお願いしますね (2017年10月9日 14時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
すのーどろっぷ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後までとても面白かったです!夢主ちゃんと夏目くん、結ばれて良かった;;;←執筆お疲れさまでした〜 (2017年10月9日 14時) (レス) id: 9445aaa6c2 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - うろとさん» コメント有難うございます!楽しんで頂けて嬉しいです…!夢主のことですから猫語のみでなくきっと他にも色んな言葉を使ってる気がします笑 (2017年10月6日 17時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:plum | 作成日時:2017年9月1日 20時