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「どうして、その結論に至ったのか教えてくれなイ?」
「良いですよ。私はね、災厄なんて恐れません。寧ろ、そんなことが近々私に訪れるなんて好都合じゃないですか。
私の、自己犠牲という本能がくすぐられます」
「キミは怖くないノ?災厄を本当に恐れていないって言えるわケ?」
「勿論、所詮まだまだ社会を知らない私には多少の恐怖心があるかも知れません。 けど、それを喜びや満足感、感動、美しさに変えてしまえば良いじゃないですか?」
「狂ってル……」
狂ってる、か
客観的に見たら周りには私はそう見えてしまっている
けど、今頃ですね
これが私の本質で、出来てしまった友人やら、憧憬の人やら、__想い人やら……
そんなものが私を優しく包んで そのまま隠した
「それに」
一生抱かないと思っていた感情が芽生えてしまった
恋することは幸せ、一周回って不幸
だからもう
「幸せになる魔法なんて、元から掛かってますから、……もう、要りません」
「……」
道化の瞳が見開かれる
「私に、幸せなんていらないんです。幸せになりすぎたら必ず不幸が訪れます。なので私は永遠に、平行の道を歩いていけば良いんです。なのに、私はこの学院に転校してきて、たくさんの幸せを貰えました。いらないほどの幸せを。ここまで言えば、分かりますよね」
「訪れる災厄は運命だ ってネ」
「_」
こくりと頷けば 魔法使いさんの口からひとつのため息がこぼれた
どうせ、不幸から逃げる私に呆れるだけ
「失うことが怖イ?それとも、消えてなくなりたいノ?キミの意思を聞かせテ」
「私に意思がないこと、魔法使いさんなら知ってると思ってました」
「あぁ、そうだったネ。けド、」
首に掛けられた五芒星をゆらゆらと揺らして私に近付くとグッと距離が近付く
驚きで瞼を閉じれば瞬間目を見開く
「うひゃあっ、な、なにするんですか、止めてくださいよ」
耳元に近付いた唇が私の耳朶にあむ、と柔らかく噛み付くと歯が立てられる
その少しの痛みに体は反応して無意識に魔法使いさんの肩を押していた
「フフ、ごめんネ。けどキミにはこうして反抗する意思があるでショ?」
そう、にやりと微笑む魔法使いさんに、自然と目が奪われた
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plum(プロフ) - あおばさん» コメント有難うございます!こちらこそ応援してくださり感謝です、これからも頑張りますので是非plumをよろしくお願いしますね (2017年10月10日 0時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
あおば(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白くていつも更新を楽しみしてました!!これからも頑張ってください!! (2017年10月9日 19時) (レス) id: b75586ec16 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - すのーどろっぷさん» コメント有難うございます!面白く出来て良かったです。何とかあの二人を結びました(強制)。こちらこそ最後まで見てくださりありがとうございました。これからも頑張っていくのでよろしくお願いしますね (2017年10月9日 14時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
すのーどろっぷ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後までとても面白かったです!夢主ちゃんと夏目くん、結ばれて良かった;;;←執筆お疲れさまでした〜 (2017年10月9日 14時) (レス) id: 9445aaa6c2 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - うろとさん» コメント有難うございます!楽しんで頂けて嬉しいです…!夢主のことですから猫語のみでなくきっと他にも色んな言葉を使ってる気がします笑 (2017年10月6日 17時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:plum | 作成日時:2017年9月1日 20時