【あんスタ】私は貴方に告白してない＊番外編詰め【逆先夏目】

雨 １ ページ9

雨、

ザーザーと降り注いでいる

まさか自分が傘を忘れることになるなんて……

やれやれと自分に呆れる


(でも 別に雨にぐらい濡れても良いんじゃないか？)

幸い家は学院から近い

つまり、全力で走ればそこまでびしょ濡れになることもない と

『よし、行くか……』

覚悟を決めて頭の上に鞄を乗っける

そうだ、たまには水浴びするのも良いかもしれない
ポジティブに捉える

学校の屋根がある部分から足を一歩踏み出す

止むのを待つという選択があるが空は相変わらず暗く とても雨が止みそうに思えない


『すぅーはぁー』

深呼吸をする
どしゃ降りの中 走って家に帰るなんて経験をしたことない私には多少の好奇心が芽生えているのかもしれない


そして雨の中を飛び込む


雨が冷たい 鞄のガードは脆く全身に冷水が叩きつけられる感覚がする

(ヤバい、 バカなことしたかも……)

冷や汗がどこかを伝う

すると前方に傘をさした片方の髪だけが長い人を発見 恐らく逆先

恥なんて捨てて突進……というか抱きつくことにした

『逆先〜！傘入れてー！』

「エ……ってAちゃン!?うわっ」


抱きつく形で傘に入る
それでも私の体は濡れている すぐ腕をほどく


『ご、ごめん傘忘れてさ？ね？』

「良いけド……すごく濡れてるヨ、ボクの家に寄って行ク？」

何故か目を泳がせながら私に問う逆先

『け、けど迷惑じゃ？』

「キミの体の方が何倍も大切ダ」

私の肩をぐいっと引き寄せる
けれど私は体が濡れてるため罪悪感を抱く

『ぬ、濡れてるから そんな密着しなくていいよ……』

「こうでもして温めないと風邪でも引かれたらボクは耐えられなくなるかラ……我慢しテ」


『は、はい 彼氏の大切さがとってもわかりました……』



それから色々とお説教を聞きながら 逆先の家に向かいました

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