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第3訓 ページ4

萩までともに来てくれたのは薫だけだった。

ただ一人の女官も、教育係もなしに萩の地に降り立つ。
私達を出迎えた城主は私達に挨拶だけをすると、山の上の詰城は自由にしてくださいといい、本丸へ帰っていった。



「れっきとした皇女であらはる姫さんを山の上に追いやるなんてあの人、いったい何様のつもりであらはるんやろうなぁ。」



「まぁ、しかたのないことでしょう。もともとおかあさまのじっかといっても、ほとんどかんけいはないのだから。ほら、あれよ。くんしあやうきにちかよらず。」



「そうはいっても酷いとおもいまへん?子供二人で生きていけるとほんまに思うとるんやろうか。お上も毛利はんもいったい何考えてはるんやろうな。まあでも、姫さんは何も心配することあらへんよ。うちがなんとかするさかい。」



「めいわくばっかりかけてごめんね。たよりにしてるわ。」



それから3ヶ月程は生活基盤を整えることに専念していた。

始まった生活は暇なほかはいうほど不便がなかった。

薫がなんと話をつけたのか、生活に必要なものやお金は十分すぎるほどに都と毛利氏から用意されているし、食事や洗濯なども本丸から女中さんが来て、用意をしていってくれた。だから、私がやることは本当に何もなかったし薫がやることも掃除と私の面倒を見ることだけ。


教育係もいなくなってしまった上に働いている薫を遊び相手にするわけにもいかないものだから、本当にやることがなくなってしまった。
 

することもなく、日長ぼーっと窓から城下を眺めていると、ある日薫に言われた。

 

「姫さん、こんなところで何もせんと閉じこもっていても体に悪い。行ってみればいいんやない?城下へ。」


「えっ、行ってみたいけれど……でもそれ、きけんなんじゃない?」


「まぁ、大丈夫やろ。もちろん変装は一通りしてもらうけど、うちも後ろの方からバレないようについていくし。たぶん、ここは田舎やし、この山の上にいても、下にいても危険度は変わらんわ。」


薫の言葉に背を押され、初めて屋敷の外に出ることにした。

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廣岡唯 - 続きをくれよアル(神楽) (1月14日 16時) (レス) @page13 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ran(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (12月14日 18時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年9月12日 16時

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