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第10訓 ページ11

「スイ、お前最近何を悩んでいるんだ?」


松下村塾が終わったあと、家に帰る気も、道場に行く気も起きなかった私は縁側で物思いに耽っていた。
そこにやってきた銀にぃに問いかけられる。
確かに最近の私は考え事をしていることが多かったかもしれない。

「いきなりどうしたんだい?銀にぃ。」

「最近スイがぼーっとしていることが多いように感じたから。なんか悩みがあるなら聞くぞ。」

「いや、あるっちゃああるんだが……銀にぃに聞いてもなんの解決にもならない気がするっていうか。」

「どういう意味だよ、それ。とりあえず言ってみて、それで解決できなければそれでもいいんじゃないか?一人で抱え込んで悩むよりは。」

「二人共何を話しているんだ?」

こたにぃと晋にぃまで来てしまった。
銀にぃが二人に、スイが悩んでいることを吐かせようとしているのだと説明すると、二人まで聞く姿勢になってしまい完全に話す空気になってしまった。


「えっとね……大したことではないんだけど縁談の申込みが来てるんだけど、いかに断るか、相手に断らせるかを考えてる。」

周りに沈黙が満ちる。

「……スイ、前々からお前はいい家の生まれなんじゃないかとは思っていたが、こんな年から縁談の申込みが来るなんて凄いな。」

「高杉、てめぇボンボンだろ?縁談を断る方法とか知ってるんじゃあねぇの?」

「銀時、それどういう意味だ?俺は縁談がき始める前に家を出てるし、そうでなくても糞餓鬼として評判だった俺に娘を預けたいなんて思うやつはいねぇだろう。」

それに対し、銀にぃが笑ったことで喧嘩が始まってしまったが、それをよそ目にこた兄からもう少し細かい状況を教えてもらえるかと聞かれた。

「そうだね……相手はぼくよりも一つ年上で歴史的な家格はうちよりは少し低いけど、実際に持ってる財力武力ではあっちに負けてるかも。特に相手は正妻長子、僕は妾の子供だから結婚するってなったら僕があっちの家に入ることになるだろうね。」

そこで一息ついて続ける。

「一番の問題は当主同士では同意しあっていて、僕の意思が聞かれているのはただの善意。このまま無視していても無理やり結婚させられるだろうし、今はせっかく本家から離れて自由にやっているのに派手に嫌がったら本家に連れ帰らされるかも。……そうなったらたとえ縁談が破談になってももうここにはいられなくなる。」

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廣岡唯 - 続きをくれよアル(神楽) (1月14日 16時) (レス) @page13 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ran(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (12月14日 18時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年9月12日 16時

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