第0訓 ページ1
「……ほら、あの子こっちを見ているわ。なんて恐ろしい」
「あの髪と目の色、なんて不気味なのかしら。」
「皆様、そのようなことを言うものではなくってよ。例え異敵の血が混ざったまがい物といえど、天皇陛下の娘。怒らせたら何をされるかわかったものではなくってよ。」
「あらまぁ、本当にそのとおりですわ。」
うふふ、おほほとこれみよがしに笑いながら女官たちが去っていく。乳母子の薫は本気で怒ってくれているようだけど、私にはそれを宥めるしかない。
なぜなら、好き勝手できるだけの後ろ盾がないから。それをわかった上で彼女たちは今日もこれみよがしに陰口を言う。
「かおる、もどるわよ。もうすぐきょういくがかりのせんせいがくる。」
部屋に帰ればもう教育係はいた。
遅刻を咎められたあと、その人からは琴と礼儀作法、書道などと必要最低限の知識を教わる。何も変わらない日々。
一度、もっと外の世界について知りたいと言ったら女子には必要がない、とひどく怒られた。
閉じられた世界で生きていく退屈だけれど穏やかな日々。されど、この陰謀渦巻く都でそのような日々が長く続くわけもなかった。
これは、翠緑と言う名の少女が様々な人と関わり変わっていく物語
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - 続きをくれよアル(神楽) (1月14日 16時) (レス) @page13 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ran(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (12月14日 18時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2022年9月12日 16時