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「えっとね、陰間の子は沢山いるの。大体二十人くらい」
「……わぁ」
「もちろん全員とお話してほしい、なんて酷なことはいわないわ。それでAが病んでしまったら本末転倒だものね。すれ違った時とかに挨拶とかはして貰えるとありがたいけど」
契約してから一度茶を飲んで、話を再開した。ん、美味しい。
「まずは、陰間茶屋の看板を背負ってくれている四人をお願いしたいわ」
「了解しました。頑張ります」
「じゃあ早速、一人と会ってみましょうかね」
「……え、今ですか！？」
立ち上がった小夜さんを見上げる。そんな性急な。
「だいぶみんなの精神が瀬戸際だから。ごめんね、Aに配慮できなくて」
そう言われたら、何も返せなかった。
悲しそうに微笑んだ小夜さんが「じゃあ早速」と言ったのと同時か直後か、ピッタリ閉じていた襖がスパンッと横に滑った。
「小夜さん！彼奴来た！！」
いきなり入ってきたその人は、性別を判別しにくい、顔立ちがとても美しい人。煉瓦色の髪がやたらと目についた。
その翠に輝いた瞳が私を捉えて、ゆっくりと見開かれるのを無表情で見つめる。
「大変失礼いたしんした、どうかお許しくんなまし。わっちは浦田と申しんす。以後お見知り置きを」
瞬間、床に伏して私に頭を下げた。動きに合わせて布が宙を舞う。小夜さんに似て動作が嫋やかだ。この人が陰間さん、なのかな。
「浦田、奥原様を彼奴なんて呼ばないの」
「お許しなんし、小夜様。……ところで、こちの方はどちら様でありんしょう？」
「あーごめん、そっちで話しておいて！A、会おうとしていたのその人だから。じゃあ奥原様の所へいってくるわ。」
ばいばーい、とお付の方と共に消えていった小夜さん。
…こっちは初対面なんです助けてください〜！！
私と共に置いてかれた浦田さんを見上げる。前を見据えている横顔は、まっすぐ咲いている和菊を連想させた。
「えっと、浦田さん」
「浦田と呼び捨てしてくんなまし。それにしてもお客様、その年代の上女性であるのは珍しいでありんすね」
「あ、いやそのお話なんですけど」
「今夜はどなたか陰間をとりんしたかぇ？」
「い、いえ、とってないです」
会話の主軸をとられる。職業柄なのかな、話をするのが上手だ。
「それでは、今夜はわっちと如何ですかぇ？」
すす、と足音を立てずに滑らかな動きで近くに寄ってきて目を細めてじっと見つめられる。衣擦れの音すら聞こえなかった。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
