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*
何かに気を取られたような表情で浦田さんに部屋へ帰れと言われた。良くわからないけれど、一人にしたほうが良い気がして素直に部屋へ帰る道を辿る。触れてはいけない内情、だと思っている。
……あ、小夜さんに挨拶した方がいいかな。
ふと思ったそれに、思い描いていた道を変更する。少しずつ道を覚えられてるな。よしよし、この調子で頑張ろう。
小夜さんの部屋に辿り着き、部屋に呼びかける。
いつも通り、一拍置いて入室許可の凛とした声がきこえた。
「失礼します、小夜さん」
「……A」
険しい顔をして机に向かっている彼女は、少し窶れているように見える。どうしたのだろう。
「見苦しい所をみせてごめんなさいね。少し、予定が狂ってしまって」
ふふ、と一度はお淑やかに笑ったが、その表情はすぐに険しげなものに崩れてしまう。事情を聞いていいのかいけないのか分からなくて、逃げるように窓の外を見上げた。……今日は朧月夜か。綺麗な形の満月とよく合っている。
小夜さんがすうっと息を吸ってこちらに話しかけてきた。どうやら聞いても良かったらしい。最後にもう一度月を目に焼き付けて小夜さんに視線を戻した。
「いきなり、予約が来てね。華道家であるその方のご所望でいつも選りすぐりの花を飾っているのだけれど、突然の事で買っていなかったの。お偉い様だから断るに断れなくって、それで客ではなくなってしまったらどうしようかと」
右手にある筆を爪で弄りながら事情を説明してくれた小夜さん。
……うーん、と打開策を考えてみるも、このお粗末な頭では何も思いつかない。
「すみません、中々良い案が出なくて……何かお力になれる事があったら声をかけてください。近況報告はまた今度します」
「ええ、愚痴をいってしまってごめん、なさい……」
ゆっくりと小夜さんの言葉が止まって、不思議に思い視線をあげる。するとすぐに目が合って、何か思いついたようにその目が見開かれた。
「じょ、せい……さ、…あ、でもまって、だったら」
「さ、小夜さん？」
おそるおそる声をかけると、「ちょっとまって」と制された。うっ。
小夜さんは手元の紙をペラペラと捲り始めた。その紙は、均等に区切られていて、紙の端には浦田さんや志麻さんたちの名前があって、……これは、陰間さん達の予定表だろうか。
と、小夜さんの顔が見えた。その瞳は心做しか輝いているように感じる。
「……A、お願いがあるの」
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
